J Football日本代表

[2012年03月14日(水)]

【五輪代表】ポイントは前線の組み合わせ。
最終戦で新たな可能性は生まれるか?

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Tsukida Jun/AFLO SPORT

バーレーン戦で先発が予想される大津。攻撃陣の新たな組み合わせに注目が集まる 練習を終え、バスへ向かう原口元気が手にしていた紫色のスパイク。そこに白い文字でくっきりと記された言葉が、彼自身の、そしてチームの決意を示していた。

 GO TO LONDON

「区切りなので、今回の(試合の)ために入れてもらいました」

 そんな原口の言葉どおり、ロンドン五輪への出場権をかけた最終予選も、3月14日のバーレーン戦が最後。どんな結果になろうと、ひとつの区切りがつく。

 前回のマレーシア戦では、最悪の内容と結果に終わったシリア戦から、少なからず改善が見られた。その結果が4対0という勝利であり、グループ首位への返り咲きである。

 それでも、90分のなかでもたつきを感じさせる時間は短くなく、狙いとするサッカーが完全な形でできていたとは言い難い。

 ここ2試合はアウェーゲームが続き、選手たちは思い切りに欠けたプレイが目立っていたが、ホーム(国立)に戻るバーレーン戦では、本来の姿を見せてほしいところだ。

 そこでポイントとなるのは、前線の組み合わせである。

 これまで1トップとして最前線でボールを収め、2列目を生かしてきた大迫勇也が、バーレーン戦では累積警告で出場停止。関塚隆監督は、そこに手を加えざるをえない。代えの利かない役割を果たしてきた大迫の欠場が、痛手であることは間違いない。

 しかし、大迫の代えが利かないならば、異なる組み合わせを考えればいい。

 というのも、元々、ロンドン世代の最大の売りは、多彩なアタッカー陣にあった。ヨーロッパで活躍する香川真司、宮市亮の招集がかなわなくとも、その状況に変わりはなく、前回のマレーシア戦では齋藤学が台頭し、今回のバーレーン戦では清武弘嗣、大津祐樹が復帰。それぞれが臨戦態勢を整えている。


 ならば、有り余るほどのアタッカーを、タイプに縛られることなく最大限に生かしたい。その新たな術を見出せれば、言うことなしというわけだ。

 原口が「大迫くんがいれば、ボールが収まるところができるけど、(バーレーン戦は)流動的にやることになるんじゃないかと思う」と話すように、恐らく4-2-3-1の「3」と「1」のポジションに、セカンドストライカータイプを並べることになるだろう。

 そこから、それぞれがポジションを入れ替えながら前線へ飛び出していく。そんな機動力あふれるサッカーが、おおまかなイメージとなるはずだ。

 ただし、原口が「役割的には今まで通り」とも話したように、多くの選手が強調するのは、特別なことをする必要はない、ということだ。

 東慶悟は、「まずは自分が試合に出られるようにしないと」と、激しくなったポジション争いに触れたうえで、こう話す。

「自分のプレイを変えることはない。(自分が)周りを生かし、(周りも)自分を生かしてくれればいい。違う選手でやれるサッカーをやるだけ。僕自身楽しみだし、いろんな個性があるので、それを十分出せればいいと思う」

 また、清武は「誰が入っても変わらないので、そこまで気にしていない」と素っ気なかったが、「(今日の練習で)いろんなことを試せたのでよかった。自分たちのサッカーをすれば問題はない」と、少ない言葉のなかにも自信をのぞかせた。

 その一方で、大津は大迫不在の状況に、「FW(1トップ)に入った場合は、起点になることも大事」と具体的なイメージをふくらませつつ、自身の役割を明確に定める。

「(ポジションはどこでも)まずはゴールを意識して結果を出す。ヒーローになるつもりではいます(笑)。こういう試合では、1回のチャンス(を決めること)が大事なる。泥臭くてもきれいでも、1点は1点。試合を決めるには結果(ゴール)が必要だから」

 日本はこの試合で、バーレーンに勝つか引き分ければ、シリアの試合結果に関係なく、ロンドン五輪出場が決まる。

 そこで最も重要なのは、言うまでもなく、確実に出場権を手にすることである。しかし、それと同時に、区切りの最終戦にふさわしい、本大会へ向けた新たな可能性が示される試合でもあってほしいと思う。

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