大阪府が府内の小学6年生と中学3年生を対象に昨年から始めた独自の学力調査(6月)について、大阪市教委は14日の教育委員会会議で、昨年に続き参加しないことを決めた。橋下徹市長が「(学力の問題は)大阪市だけでなく、大阪府全体の視点で考えるべきだ」として参加を強く求めていたが、市教委は「全国学力調査(4月)と実施時期が近くなり、児童・生徒の負担になる」「学校選択制が検討される中、学校別の結果をどう開示するかについても慎重に考える必要がある」と判断し、参加を見送った。
府の学力調査は、文部科学省が2010年度以降の全国学力調査を全員参加方式から抽出方式に切り替えたことを受けて、競い合いによる学力向上を重視する橋下氏が府知事時代に導入を主導。41市町村の公立小・中学校と、希望した一部私立小・中の児童・生徒計約10万人が参加し、府教委は市町村別の平均正答率をホームページ上で公表した。「独自に学力調査をしているので必要ない」とする大阪市と堺市は参加しなかった。
堺市は2月の教育委員会会議で「学力向上をはかるには他自治体との比較や検証も必要」として新年度は参加することを決定。これを受け、橋下氏も「大阪全体の教育問題として考えなければならない。他の市町村にしてみると、大阪市のデータも欲しいはずだ」として大阪市教委に検討を求めていた。