政府主催の「東日本大震災1周年追悼式」が11日午後、東京都千代田区の国立劇場であり、天皇、皇后両陛下、野田佳彦首相、各地で被災した遺族代表ら国内外の約1200人が出席した。地震発生から1年の午後2時46分に全員で黙祷(もくとう)。首相の式辞に続き、天皇陛下が「おことば」を述べた。
天皇陛下は「被災地の今後の復興の道のりには多くの困難があることと予想されます。国民皆が被災者に心を寄せ、被災地の状況が改善されていくよう期待しています」と述べた。野田首相は「被災地の復興を一日も早く成し遂げる」としたうえで、原発事故が起きた福島県について「必ずや再生させ、美しいふるさとを取り戻すために全力を尽くす」と話した。
宮内庁によると、2月に冠動脈バイパス手術を受けた天皇陛下は追悼式への出席を強く望み、今月7日には胸の水を抜く治療を受けて式に臨んだ。陛下の体調に配慮して、出席時間は当初予定の半分の約20分に短縮された。
その後、岩手、宮城、福島各県の遺族代表が追悼の言葉を述べた。
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岩手、宮城、福島の3県の追悼式では、知事がそれぞれ復興を誓った。
岩手県の達増拓也知事は「岩手の沿岸を、必ずよみがえらせる」と強調。宮城県の村井嘉浩知事は「ふるさと宮城を次の世代に引き継いでいくため、復興に邁進(まいしん)する」と述べた。福島県の佐藤雄平知事は「困難を克服し、豊かで美しい福島県を取り戻せると確信する」と訴えた。