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過度な飲酒「脳萎縮」招く? 認知症の原因にも 脳ドック検診で確認を

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2012/3/11付
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 アセトアルデヒドを酢酸にする酵素の強弱は遺伝子レベルで決まっている。「酵素の働きが強く酒に強い人」「働きは弱いもののある程度は飲める人」「酵素の働きが全くない人」の3タイプがある。

 アセトアルデヒドはDNA(デオキシリボ核酸)を傷つけ細胞をがん化させる。喉頭がんや食道がんなどになる危険性が最も高いのは、ある程度は飲めるタイプで、日本人の約4割が該当する。体質的には酒に強くないにもかかわらず、「慣れ」によって飲み過ぎてしまうため、病気を引き起こすリスクを高めてしまうようだ。

 飲酒の習慣を改めるにはアルコールをいきなり断つのではなく、まずは、節酒を心掛けることが大切だ。

 酒への依存度を知ることから始めよう。インターネットなどに掲載されているスクリーニングテストを利用すれば誰でも手軽に判断できる。

「日記」つけ節制

 次に飲酒量をどこまで減らすのか目標を設定する。慶応義塾大学の加藤真三教授は「できるだけ具体的に目標を設定した方が効果的」という。設定したら「飲酒日記」を毎日つける。飲んだ相手や酒の量などを細かく記録し、達成できたかどうかを「○」「×」で書き留める。減らそうとする努力を「見える化」するのが長続きさせるポイント。

 脳がどの程度萎縮しているのか確認するには「脳ドック」を受けるしかない。東京クリニック(東京・千代田)には年間2000人弱が脳ドックの検診に訪れる。「脳の萎縮具合を直接目にすることは、禁酒や節酒のいい動機づくりになる」(笹沼仁一・健診センター長)。検診がきっかけで酒を断った人も多くいるという。

(上林由宇太)

ひとくちガイド
《ホームページ》
◆飲酒と健康の関係について基本的な情報を得るには厚生労働省の「e―ヘルスネット」(http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-013.html)
《本》
◆アルコールと脳の萎縮について知りたい人には「危ない呑み方・正しい呑み方」(仮屋暢聡、毎日コミュニケーションズ)

[日本経済新聞朝刊2012年3月11日付]

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アルコール、飲酒、MRI、認知症

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