東日本大震災から2カ月が過ぎた14日、民団宮城は、震災発生から5回目となる炊き出しを多賀城市内の避難所で行った(写真)。仙台市内は元の活気を取り戻しつつあるようにみえるが、沿岸部ではまだガレキさえ撤去できず、被災者らの避難所生活が続いている。
民団宮城、婦人会、青年会の30人は、震災発生から5回目となる炊き出しを多賀城市文化センターで実施した。金正秀駐仙台総領事夫妻も一緒に参加した。
料理はトック、プルコギ、カクテキ、ライス、海苔など550食分を用意したが、あっという間になくなった。また、塩釜支部の李昌根団長は自社で販売するドラ焼き1100個分を、同文化センターを含め3カ所の避難所にも配っていた。
避難所の被災者からは、「韓国料理はもっと辛いと思っていたが、甘くておいしい。味もちょうどいい。本当にありがたい」といった声が多く聞かれ、中には何度もおかわりをする人もいた。
同センターの避難者数は震災当初3000人近くいたが、現在は400人弱となっている。同市内の沿岸部はまだガレキが片付いておらず、手付かずの状態で電気がいつ回復するか見通しさえ立っていないという。
同避難所では、お金のある人はアパートを探して出て行くことができるが、津波で何もかも流されてお金もなく職もない人は、仮設住宅に入るのを待つしかない状態だ。
義援金は多賀城市では申請があって払い込みも始まっている。しかし被災地の各自治体によりばらつきが見られ、遅れている所もあるという。
一方、同胞被災者のためにと、民団中央本部に寄せられている義援金は13日現在、払い込まれていないものも含め、2億円を超える金額が予想されている。韓国からの義援金は3億円以上集まっている。
民団中央本部は16日の中央執行委員会で「義援金策定委員会」を構成し、被災同胞と各自治体への義援金の配分を検討していくという。
遅くても、6月3日に権哲賢駐日大使が韓国政府からの義援金を持って被災地の同胞に届ける予定で、それに合わせて、鄭進中央団長も同行し、一時金を手渡すことができればと考えている。
現在、約140件の申請書を査定している。支給が始まれば、申請者はさらに増えるものと見込まれている。