九州新幹線で13日発生した架線トラブルによる大規模運休で、JR九州は14日朝、福岡市の本社で記者会見した。青柳俊彦常務は「長時間にわたって止め、お客様にご迷惑をおかけしたことを心よりおわびします」と陳謝した。
トラブルは13日午後4時ごろ、久留米-筑後船小屋間の下り線を走行中の「さくら557号」の運転士が架線にビニールが引っかかっているのを見つけた。架線からの送電を止めて周囲の列車を停止させる「保護接地スイッチ」を押し、緊急停止した。約20分後にスイッチを解除しようとしたが、解除できず、上り線が約5時間、下り線が約6時間半にわたって運転を見合わせ、上下計45本が運休するなど約9000人に影響した。
保護接地スイッチが解除できなかった理由についてJR九州は「機械的な不具合なのか、今後詳細に調査しないと分からない」と話している。保護接地スイッチに絡むトラブルは九州新幹線開業以来初めて。
トラブルに伴い、JRが乗客用に博多駅と熊本駅で用意した「列車ホテル」を計約180人が利用した。【井上俊樹】
毎日新聞 2012年3月14日 12時09分(最終更新 3月14日 12時19分)