NHK長崎県のニュース　長崎放送局

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台湾在住被爆者の証言集　完成

長崎や広島で被爆し、戦後、台湾で暮らしてきた被爆者たちの証言をまとめた本が完成し発売されることになりました。
「台湾の被爆者たち」と題されたこの本は、台湾に住む被爆者から被爆体験を聞き取る活動を続けてきた在外被爆者支援連絡会の平野伸人共同代表が１年かけてまとめたものです。
本には長崎や広島で被爆し、今は台湾に住む被爆者１２人の被爆体験が詳しく記されています。
このうち、爆心地から７００メートルほどの旧長崎医科大学にいた医師で診察中に被爆した陳新賜さんの証言には、診療所の同僚たちが大やけどを負って亡くなったことや、爆心地近くの自宅で被爆した陳さんの妻と２人の子どもも犠牲になったことが克明に書かれています。
このほか台湾の男性と結婚し、長崎で被爆後、台湾に渡った女性たちの証言や、在外被爆者をめぐる裁判についても書かれています。台湾の被爆者は、韓国などに住む被爆者と比べて人数が少ないことなどから実態の調査が進んでおらず、去年１１月、台湾で初めての被爆者団体が発足したばかりです。平野さんは「この本が高齢化する在外被爆者の支援につながればうれしい」と話しています。
この「台湾の被爆者たち」は１冊１５００円で、今月１６日から主な書店で販売されます。

03月13日　18時44分

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