ドキュメンタリー・教養
長野朝日放送 2012年03月11日(日) 25:15~25:45
放送地域
東日本大震災の翌日2011年3月12日未明、北信濃の豪雪地・栄村を震度6強の激しい揺れが襲った。大雪にも耐えた住宅は崩れ落ち、ライフラインや農地も大きな被害を受けた。復興に向け前に進もうと歯を食いしばる人たち、一方で震災を機に村を離れる人もいる。高齢化・過疎化に悩む人口約2300人の村を襲った震災の、その後を見つめる。
専業農家の宮川頼之(みやがわよりゆき)さんは、トマト栽培などで生計を立てている。避難所から水やりに通いトマトの苗を大きくした。被害を免れた畑でトマトは夏、たわわに実をつけた。収穫の喜びに浸るが、患っている肺がんの手術は地震のため半年以上先延ばしになった。その姿を見た長男・一哉さんは、農家を継ぐことを決めた。半壊した自宅で過ごしながら息子と取り組む冬支度、父親から息子に託す思いとは。
JR飯山線・森宮野原駅前にある商店街は村唯一の商店街だ。17店舗のうち3店舗は震災直後に廃業を決めた。そんな中、ある衣料品店が2011年8月、営業を再開した。「商店街に灯をともしたい。」70歳を過ぎた店主・福島博さんの思い。一方で激減した利用客に不安も山積する。
結びつきの強い小さな村の暮らしを変えた地震、復興と現実のはざまで揺れ動いた365日を追った。
【ナレーター】池田昌子