子どもたちに夢を与えようと、新たに招待シートを設けたグランパスのMF磯村=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのMF磯村亮太(20)が今季、「磯村シート」を開設した。瑞穂陸上競技場などで開催されるホーム公式戦に、愛知県豊田市内の総合型地域スポーツクラブの小学生ら13人を毎試合招待する。2月には初めて日本代表に選出された躍進中の若手MFは、ピッチ外にも積極的に活動の輪を広げていく。
一流のプロスポーツ選手は社会貢献への意識も一流だ。昨季、衝撃の3試合連続得点でグランパスの若手旗頭に躍り出た磯村が、早速招待シートの創設に動いた。
「いつかはこういう活動をしたいと思っていた。昨季ある程度試合に出られるようになったことで、始めようと思いました」
グランパスではGK楢崎、高木、FW玉田、MF小川、吉村、DF増川、阿部、田中隼、闘莉王と中心選手の多くが招待シートを設けており、磯村も先輩の後に続いた。
磯村には子どものころの思い出がある。瑞穂などでたびたびグランパスの試合を観戦し、「やっぱり鮮烈だったのは監督(ストイコビッチ)。みんなそうだったと思いますけど」とプロの技に魅了された。
グランパスの「10番」に憧れた少年は、その後グランパスの下部組織で成長。ピクシーと同じ攻撃的MFとして、日本代表に選ばれる選手となった。
「ボクは地元で育った選手。何か恩返ししたい」。年間数十万円の出費は売り出し中の20歳にとって安くはないが、お金で買えない「夢」を与えられるならと決断した。招待された少年たちが磯村のプレーに憧れ、第2第3の磯村となる日が来るかもしれない。 (木村尚公)
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