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看護師転職必勝講座〜元キャリアコンサルタントが伝授する看護師転職必勝法〜

2011-12-31

看護師転職手段比較―ハローワーク、広告、紹介会社、直接応保、人づて―

 さて、いざ転職しようと思ったとして、まずはどうしますか?

 転職をするにあたって、転職先の情報収集および応募をするにあたって、様々な手段があり、それぞれに一長一短があります。

 ところが、看護師の方にはこうした知識の無いまま、漠然と劣悪な紹介エージェントになんとなく登録し、そのまま強引に転職させられてしまうケースが多々あります。

 まずは、いまの自分にどのような手段があるのかをきちんと把握し、自分に合ったやり方で転職するのが、正しい転職の方法です。



転職手段比較

1.ハローワーク

◯メリット
・求人数(特に小規模クリニック)が多い
・大都市圏以外のエリアだと、圧倒的に求人数がハローワークに多い
・失業保険などの受給とセットで、早期に転職を決めればお祝い金などの制度がある
・日勤かつ勤務可能な時間に制限のある看護師の方は、紹介会社を使うよりも内定率が高い。(病院側に紹介手数料がかからない為)

×デメリット
・求人票から得られる情報が少ない
・担当者が病院の実情を把握していない
・情報収集をするには直接医療機関の面接に行くほかなく、その流れで劣悪な労働条件の職場でなし崩し的に就職してしまうケースが多い。

2.求人広告

■代表的なところでは【とらばーゆ看護】(http://toranet.yahoo.co.jp/kango_p/)。良くも悪くも、求人側が出す【広告】である。

◯メリット
・従業員の顔が映っている写真など、視覚的な情報が多い
・各広告の情報量が多い
・紹介会社のエージェントを挟まないので、スピードが速い応募が出来、多少不利な条件でも内定率が高い

×デメリット
・所詮募集側が自分をよく見せて看護師にアピールする為の【広告】なので、ネガティブな情報がわからない
・まだ医療業界では求人広告を使って看護師を採用する文化が定着しきっていないので、絶対的な求人数が少ない
・直接募集側に個人情報を渡す事になるので、断る時など何かと面倒くさい
・人気求人には一斉に応募が殺到するので競争相手が多い


3.人材紹介会社

◯メリット
・コンサルタントのカウンセリングやアドバイスが受けられる
・募集医療機関の情報量が多く、また気になる点については個別に調査依頼が可能
・個人情報を医療機関に渡さず踏み込んだ情報収集が出来る
・応募書類の作成や面接に関しては踏み込んだ助言や、事後のフォローを受けられる
・役職者や希少案件など、非公開の求人情報を得られる
・求人を出していない医療機関や企業でも、コンサルタントの能力やそことの信頼関係次第では応募が可能になる場合もある

×デメリット
・良くも悪くも、担当コンサルタントの能力や情熱、あなたとの相性に左右される
・劣悪なサービスの会社が多数混在している為に、優良会社を選ぶ必要がある
・募集を出している医療機関があなたを採用する際に紹介手数料を支払う仕組みな為、病棟経験が少なかったり働ける時間帯曜日に縛りがあったりすると、内定率が下がる可能性がある
・紹介会社によっては内定が出てから強引にあなたをそこに入職させようと執拗な説得行動が始まる


4.直接気になっている医療機関/企業に応募する

◯メリット
・万事スピードが速い
・内定率が高い
・他の手段では応募不可能なところにも内定の可能性がある


×デメリット
・とにかく情報不足
・上記と関連しているが、応募先がいい職場かどうかは多分に運任せなところがある
・医療機関側と直接給与やシフトの交渉などがしづらい

5.人づて、知人の紹介

◯メリット
・内定率が高い

×デメリット
・きちんとした事前の調査が難しい
・入職後に違和感を感じても退職しづらい
 ※役職者の方が、これでどん詰まりになるケースがとっっっっても多いです。

以上、あなたにはどのような手段が適切か、よく考えてから転職しましょう!

2011-12-12

人材紹介会社=転職サイトに踊らされてませんか?

 看護師としての心身を削る忙しい日々。 或いは帰宅後のひと時、或いは昼休みのちょっとした瞬間、あなたは転職サイトになんとなく登録をします。

 そうすると、その日からあなたの人生は変わります。

 早速、早ければ5分以内にエージェントから電話とメールのダブル攻撃が来ます。

 月収35万円以上、ボーナス5ヶ月、夜勤無し、残業なし、土日休み…そこで彼/彼女はバラ色のオススメ求人を次から次へとあなたに紹介してきます。※エージェントの言うそうした求人が、実在するかしないか、本当に現在も募集しているかはさておき。

 別段すぐさま転職を考えていたわけでもないあなたは、現状の不満とバラ色の未来への期待を巧みに煽るエージェントのトークにのぼせあがり、「面接くらいなら行ってみてもいいかな」と思い始めます。

 そして、いざなんとなく面接に行き、事務長も看護部長も都合のいい甘い言葉であなたを口説きます。

 ひどい面接となると、「で、いつからこれます?」から始まるくらい、ザルです。

 そして、出た内定。

 エージェントは言います、「もう受けたからには、入職するしかありませんよ。いつから入れます?」と。

 断れず、またこうした転職市場の慣習もよくご存知ないあなたは、エージェントの確固たる態度と剣幕に押され、気付けば転職をする羽目になっています。

 こんなアホな話があるかと思うでしょう? でも、これに近い実話は、何回か失敗事例として僕のお客様より伺った事があります。

 紹介会社の良し悪しを見抜くのには色々な手法がありますが、その中でも


 ・コンサルタントが安易な転職を勧めない

 というのは、重要な判断基準です。

 看護師の転職市場には、ブラックな紹介会社や転職サイトが溢れかえっています。

 いま転職を考えているあなた、紹介会社=転職サイトに踊らされてはいませんか?



 

2011-12-10

ネットにおける看護師の転職情報のひどさ

 ひどすぎる!

 あらためて、インターネットで見つかる看護師の転職についての情報を色々調べてみて思った。

 ってか、アフィリエイトサイトとかSEOの為のスパムブログばっかりじゃん!
 (※転職サイトが「看護師 転職」とかそういうキーワードで検索された時に上位に表示させるために、「看護師 転職」とかそういうキーワードが含まれているけど内容がめちゃくちゃなサイトやブログをつくり、そこからリンクを貼る事が、SEO対策として大量に行われています)

 いまって看護師さんを紹介会社が奪い合う状況なんですよね。

 その為に、肝心の看護師の為の転職のちゃんとした情報が、ネットにほとんど無いってのは、ホント大問題だなぁとあらためて感じました。

看護師経験1年前後での転職を考えている方が注意すべき事

 夜勤が…、教育が…、記録が…、先輩が…、プリセプターが…。

 とにかく、病棟が辛くて辛くてしかたがない経験1年前後の看護師さんから、よく転職相談を受けていました。

 実際、看護師経験3か月くらいから1年ちょうどくらいの方は、転職会社の常連さんです。

 特に大学病院の方だったり、きちんとした教育体制や病棟管理体制が確立されていない規模の大きい急性期病院?に入職してしまった方が多かった気がします。

 まず、身も蓋もない事を言ってしまいます。

もし我慢できるのなら、3年は我慢して病棟の看護、ベッドサイドの看護?の経験を積んだ方がいいです。

 もしあなたが看護師を生涯の仕事として考えているのなら、この3年間の我慢で得られるスキルと経歴で、この先の人生が本当に自由になります。

 3年間我慢をして、それでも病棟の仕事がやはり向いていないと思えるなら、クリニックの外来や在宅看護、一般企業での仕事など、これまでの経験を活かした様々な選択肢が広がります。

 一方ここで安易な転職をしてしまうと非常に危険です。

+病棟→病棟の場合

 まず、よくやりがちなのが衝動的に今のところを辞め、きちんとした研修体制の無いところに移ってしまう事です。こうした失敗をされる方は、転職後自分が新人扱いしてもらえない事に気づいてショックを受けます。

 当然ですね、中途入職なんですから。いかに面接での事務長さんや看護部長さんが「親切に教えるから安心して」と言っても、基本的な事は出来て当たり前と現場は考えます。教育担当はつけてもらえる事は多いですが、新卒の時のいわゆるプリセプター?のように、みっちりと体系的なフォローをしてもらえると思ったら大間違い。あくまで中途は中途。その担当者が看護師として優れており、面倒見のいい方ならばそれなりにフォローしてくれる可能性はありますが、はっきり言って運任せです。

 あと、もうひとつの代表的な新人看護師の転職失敗パターンがあります。それは、急性期が辛かった=療養型なら楽なはず! というとっても安易な理由で療養型の病院に転職してしまう事。

 よーく考えてください。療養型の病院って、一人の患者さんあたりの看護師の数って、急性期の病院より全然少ないんですよ? 職務内容も介護職の仕事と重なる部分も多く、かなり体力使いますよ? 更に、基本的な教育体制の整備度合いから言うと、看護の基礎を体系的に学べるところって少ないですよ? (あと、年齢構成とか正職員とパートの比率とか、スタッフ&ヘルパーの方の人数だとか、正准比率とか色々総合して考えると、色々きつそうな風景が見えてくる病院が多いです)

 そうなんです。療養型なら楽なはずと思って転職したら、かえってキツかったって若手の看護師さん、結構多いです。もし、急性期の病棟から療養型に移る事を検討しておられる方は、少なくとも療養型の看護についてきちんと理解した上で判断した方がいいですよ。

+病棟→病院の外来の場合

 一見ハッピーエンドに見えますね。 

 でも、これが怖いのは…異動の可能性っ

 そう。

 とりあえず看護師不足?を補うために、採用の時は病院側はすご〜く甘い事を言います。

 だけど、頻繁にあるのが、入ってしばらくしたらなんやかんやと理由をつけられ、病棟に飛ばされるパターン。と言っても、いきなり辞めるわけにもいかず、泣き寝入りする方の多い事と言ったら!(更に加えて、夜勤に関しても「月1くらいなんとかならない?」というお願いから、気付いたら月4回のシフトになっていたみたいな笑えない話、結構あります)

 そう。面接でどんなに担当者が甘い事を言っていても、入職してしまえば最後、異動の恐怖は常についてまわるのです。(特に独身かつ子どもがいらっしゃらない場合)

+病棟→病棟以外の日勤の仕事の場合 

 とにかく病棟の仕事が嫌だっ!!!

 そんな看護師さんに、「どんな仕事がいいですか?」と聞いてみると、十中八九返ってくるのが「クリニックの外来とか健診とか」というお返事。

 そういう方のお話を伺う度に、

 「あぁ、病棟看護の仕事って、ホント大変なんだなぁ…」と

 いつもなんとも言えない気持ちになります。

 で、健診の仕事とか、あとたまたま空いている外来の仕事とか、多分見つかるっちゃ見つかるんです。運が良ければ。

 そう、運が良ければ。

 看護師不足?とは言われつつ、実は足りていないのは病棟の夜勤が出来る看護師さん。

 日勤帯のこういうお仕事の競争率は結構高いんです。

 しかも、新人ナースさんがこうしたところに転職をしてしまう落とし穴がひとつあります。

 それは、キャリア的に潰しがきかなくなる事。

 「アセスメントの出来ない看護師はいらない」

 これ、結構頻繁に採用する側、クリニックの院長さんや企業の人事担当者から聞く言葉です。

 このアセスメントって何の事なのかというところなのですが、要は患者さんの容体をきちんと把握出来る能力の事みたいですね。

 で、あるクリニックの院長さんいわく

 「結局病棟でまともにベッドサイドの看護を経験してない人は、わかんないんだよ。だから使えない。」

 との事。

 それが本当かどうかはさておき、「病棟経験3年以上」というのは、病院以外での日勤帯の人気求人の応募条件としてよく見かけます。その3年の根拠なんですが、どうやら先ほど申し上げたようなニュアンスの事みたいですね。

 そうなんです。ここで何が言いたいのかと言うと、

 病棟での看護経験を3年積んでいない人だと、今後の転職においてずっと不利になり、選択肢も狭められてしまうと言う事なんです。

 なので、これを読んでいらっしゃる転職を考えている新人ナースさん、もし病棟以外での転職を考えているならば、上でお話したリスクの事はよーく考えてみてくださいね。

 そんなところで、改めて結論です。

結論



 もしあなたが看護師を生涯の仕事として考えているのなら、この3年間の我慢で得られるスキルと経歴で、この先の人生が本当に自由になります。

 3年間我慢をして、それでも病棟の仕事がやはり向いていないと思えるなら、クリニックの外来や在宅看護、一般企業での仕事など、これまでの経験を活かした様々な選択肢が広がります。

 それでもどうしても転職したい方は…

病棟看護師を続けたい方


新人向けのラダーがきちんと整備されており、中途入職者もその研修対象になっている病院を選ぼう。

病棟以外での働き方を探したい方


可能だけれど、きちんと病棟でベッドサイドの看護の基礎を身につけられるのは今だけ。潰しがきかないキャリアになってもよいのかどうか、一度真剣に考えよう。

2011-12-04 たくさんの紹介会社に登録するのはやめましょう


 紹介会社にたくさん登録するのはやめましょう。

 オススメなのは、まず3つくらい登録し、その中で担当者と相性がいいところに絞り、一社と密度の濃いコミュニケーションをつくっていくやり方です。

 理由は簡単です。

1)管理出来ません

 よく、転職サイトの紹介会社一括エントリーに登録してしまい、その後3日間電話とメールの嵐で困ったと言う看護師の方がいらっしゃいます。

 考えてみてください。

 紹介会社の担当者=コンサルタントは、あなたの転職活動のパートナーです。

 あなたの希望をお聞きし、あなたと密接に連絡を取りながらより良い求人を探します。

 10人もそんな担当者と付き合い、きちんと管理する自信がありますか?

 たとえば、1日5通も10通もメールや、それだけの着信があり、きちんと対応する自信がありますか?

 多分無理だと思います。

 私自身、以前引っ越しの際につい不動産屋の一括見積もり請求みたいな事をサイトからやってしまい、ひどい目に遭った事があります。

 なので、申込む紹介会社の数は絞りましょう。

2)サポートの密度が薄くなります

 紹介会社のコンサルタントも人の子、自分だけを信頼して頼ってくれている看護師さんと、5社も10社も登録している看護師さんならば、当然自分を信頼してくれている人を優先して対応します。

 電話をしたら不在でもきちんと折り返してくれる人とそうでない人ならば、折り返してくれる人を優先します。

 メールをしたら返信してくれる人とそうでない人ならば、返信してくれる人を優先します。

 当然ですね。

 もっとも、紹介会社を使った転職で重要なのは、担当者との相性です。なので、最初は紹介会社に複数登録するのは必要だと思います。

 ただ、ある程度相性がよくきちんと対応してくれる人がみつかったら、早めの段階でその人に絞り、密度の濃いコミュニケーションを心がけましょう。


3)メールと電話がうっとおしいです

 携帯の受信トレイと着信歴がすごい事になります。

 朝から晩まで携帯が鳴りやみません。 

 そして、特に業界最大手の会社に代表される売り上げ至上主義の会社などは、とにかくあなたが電話に出るか返信をするまで、しつこく朝から晩まで電話とメールを投げまくります。


 上記のような事が起こるので、紹介会社は最初3社くらいに絞り、その後、担当者と連絡が取れ次第、自分と一番相性のよさそうなところに絞り、そことのコミュニケーションを大切にしていくのが、転職必勝への近道です。