私の名前は如月彩(きさらぎ あや)私は人の目にどう映るのだろうか?
容姿端麗、成績優秀、品位方正、スポーツ万能……まさに非の打ち所が無いとはこのことよね。主席で高校に入学してテストでは常にトップ五番以内。生徒会に勤めながらもバレー部の部長までこなしている。
身長は174㎝の長身にしながら3サイズは上から92・59・88のモデル並み。さらにそのことを鼻にかけることもなく、常に優しく、上品に、美しく立ち振る舞う。
……しかし本当の私は、誰より人に尊敬されたり、憧れられたり、特別扱いやちやほやされたり、一番をとるのが好きなだけの見栄っ張りなだけ!!
テストでトップになるためなら徹夜で猛勉強するし、体育でヒーローになるためなら陰で猛特訓する。スタイルを維持するために並々ならぬ努力をしているし、胸や身長を発育させるためにこれまでいろんな方法を試してきたわ。まぁ絶対に人には見せないけどね。
そんなことは知らない人たちから私は尊敬と憧れの対象となっていること間違いなしよね。
そんな私のとある今日。
学校が終わり部活も無い日だけど、もうすぐ三年生最後の大会があるので私は体育館で一人バレーの練習に励んでいた。
そして練習しだして十分ぐらい経った時だった。
「あ、部長!来てたんですか!」
いきなり呼ばれたので驚いて振り向くと、そこには後輩の井上貴子さんが立っていた。一人で練習してるところを見られるなんてちょっと迂闊だったわ。
「あら、どうしたの?今日は部活休みの日でしょ?」
私は心の中を少しも見せる事無く上品に微笑みながら尋ねる。
「あ、ちょっと忘れ物しちゃって……大会の資料をもう一度確認したくて」
彼女はバレー部のマネージャーで、運動神経は然程悪くないのだが身長が140センチと少ししかない彼女はレギュラーメンバーに入れる訳もなかった。
しかし頭が切れて成績もよく、細かいところまで気が配れる彼女にはマネージャーをしてもらっている。
だけど私が言うのもなんだけどちょっと地味なのよね、この子。背が低いうえに胸も無いし、……なんていうか幼児体型?
いくら賢くてもちょっとねぇ……ま、世の中そっちの方が好きな男の子もいるみたいだし、せいぜい小学生と間違えられないように祈ってるわ。
「それにしても、一人で練習なんてさすが部長ですね」
「三年生は最後の大会だからね、嫌でも気が立っちゃうのよ」
私は井上さんと一緒に部室までついていくことにした。こういう所で良い先輩であることをアピールしなくちゃね。
「でも先輩達がいなくなると寂しいですよ……特に部長は私の憧れだから悲しくなります……」
あら、嬉しいこと言ってくれるわね。
「そんなこと言わないで、それに次はあなた達がバレー部を引っ張っていくんだから頑張って頂戴ね」
「私も部長みたいに格好よかったらよかったのになぁ」
「ふふふ、私は格好よくなんかないわよ」
思ってはいるけどね。
「そんなことないですよぉ、背も高いし胸も大きいじゃないですか。私はこんなだから羨ましいですよぉ」
「そんな、背が高いと目立っちゃうし胸も大きいから動きづらいし結構邪魔なのよ?過ぎたるはなお及ばざるが如しって言うけど……大きすぎる部分とかはあなたにあげたいぐらいよ」
そんな訳無いけど。
「本当ですかぁ?じゃぁくれるならその体型、私にくださいね!」
彼女が笑いながら言う。
「えぇいいわよ、でも自分で努力もしなくちゃ駄目よ」
「わかってますって!約束ですよぉ」
「はいはい、約束します」
いつもは大人しいのに今日はやけにテンションが高いわね。私と喋るのがそんなに嬉しいのかしら?
部室までついて大会の資料を探して渡してあげると彼女は受け取ると同時に部室のドアを閉めた。
「あら、どうしたの?」
私が訪ねると彼女はうふふと微笑みながらこっちを見た。気味悪いわね。もしかして同性愛者だったりとか?
「ほら、体育館に戻るんだからドアを開けて頂戴」
「いやぁ先輩があんなことを言ってくれるなんて驚きましたよぉ、でも嬉しかったなぁ」
「え、何のこと?」
やっぱり同性愛者だったのかしら……?
「やっぱり貰えるものは貰っといた方がいいですよねぇ」
「何を言ってるの?大丈夫?」
すると彼女は微笑みながらいきなり上着を脱ぎだし始めた。私はいよいよ身の危険を感じて身を構えながら逃げる用意をする。
服を脱いだ彼女はブラのホックまで外し、小さな彼女の胸が顕になる。
「じゃぁまずは胸からいただきますねぇ」
胸?胸から襲い掛かる気?だけど彼女の体格なら襲われても逃げ切れられるわ。私に手でも出したらその時点であなたを学校にいられなくしてあげるわよ。
「残念だけど私にはそういう趣味は無いの、ごめんなさい」
私は胸を押さえながら逃げようと身構えた
そのときだった。
「…………え?」
押さえてた胸がグググッと動き出したのだ。
いや動くというより……。
「縮んでる!?」
そう、私の自慢のGカップがまるで圧縮でもされてるかのように小さくなっていくではないか。
「そんな!!嘘!!」
溢れそうなほどブラに収まっていた私の巨乳は重さで垂れていた形からだんだん小さな山のような形になっていくと、ついにはペタンとした胸板に乳首があるだけになってしまった。
「嫌!!何で!!どうしてぇっ!?」
私は必死に胸を揉むがそこにあるのはスカスカになったブラと硬い胸板の感触だけだった。
「へぇ、部長って貧乳だったんですねぇ」
急に口調が変わった井上さんを私は睨みつけた。
「……あなたがやったの!?」
「ほら、私って胸が大きいから困ってるんですよぉ」
「ふん、あなただってそんなに大き……く……?」
私が彼女の胸を指摘しようとしたら今度は彼女の小ぶりな胸がどんどん大きくなっていく。まるで空気でも入れているかのように膨らんでいき、彼女の幼児体型と似つかわしくないほどの爆乳になっていく。
「うわぁとても重いですよ、肩が凝りそうですよ。部長にはこんな悩みなんかわからないと思いますけどねぇ」
井上さんは大きくなった胸の感触をタプタプと楽しんでいる。私は彼女の悠々とした態度に苛立ちを隠せないでいた。
「私の胸を奪ったのね!?返しなさいよ!!怒るわよ!!」
「大きな声出さないでくださいよぉ、あ、じゃぁ次は身長をもらいますねぇ、この低身長での巨乳もマニアックでいいんですけど、何か似合わないですからねぇ」
「何言ってるのよ!早くもどしな……キャァッ!」
私が彼女に迫ろうとした瞬間、今度は急にエレベーターに乗ったような不思議な感覚になってバランスを崩しその場に倒れこんでしまった。
私は急いで立ち上がるが…………何か変な違和感がある。
「何これ……服が大きくなってるの?」
さっきまでサイズがピッタリだった体操着がまるで大きなプルオーバーになったみたいにダブダブになっている。上着を確かめていると今度は下着がズルズルと落ちだし私は慌てて引っ張り上げた。
「あははは、部長って背ぇ低いですよねぇ、それでバレー部の部長なんだから笑っちゃいますよぉ」
「キャァーッ!!」
私は思わず悲鳴を上げた。
さっきまで見下ろせるぐらい小さかった井上さんが自分の倍近く高くなり、私のはるか頭上から見下ろしていたからだ。
そして私はだんだんと自体を把握しだした。
これは……服が大きくなっていたのではない……私が小さくなっているんだ……。辺りを見回すとロッカーからドアまでがとてつもない大きさに見える。
「あぁやっぱり背が高いのはいいですよねぇ、見渡しがいいですもん。じゃぁ次はどこをもらいましょうかねぇ腰つきとか部長は素敵ですからねぇ」
怖い。恐ろしく怖い。私はかつて無いほどの恐怖を肌で感じていた。逃げなくては駄目だ!!しかし、足が震えて動かない……骨がきしみだして私の体が変わっていこうとしている。
「うぅぅぅっ……」
お腹が痛い……それにお尻も……。あまりの苦痛に私はその場にうずくまってしまった。そして私は変化していく感触を徐々に味わっていく。
背が低くなったとはいえ括れのあったウエストは少しづつ肉がついていき、砂時計のような形から洋ナシの様なずん胴になっていく。お腹はポッコリと膨れ、すっきりとにへこんでいたおへその周りがグググッと前に出てプニプニと柔らかくなる。
次に丸みを帯びていたセクシーなヒップラインはだんだんと小さくなり肉付きのよい形から小ぶりの小さなお尻になった。
「やっぱり括れがあるのはいいですよねぇ……お尻もいい感じだしぃ」
痛さが引いてきて井上さんを見上げると、彼女は見事なウエストとヒップラインになり、腰つきを手でなぞりながら部室の鏡で見とれていた。
「ほら、部長がくれた体どうですかぁ?とても綺麗ですよぉ?まるでスーパーモデルにでもなったみたいですよぉ」
見上げると、もはや数十分前の彼女の姿はそこにはなかった。
いや面影は少し残ってるけど、背の高く巨乳の……まるで人気グラビアアイドルを彷彿とさせるような美女になった彼女がそこにいた。
上半身は裸で大きな胸がブルンブルンと揺れている。制服のスカートは超ミニサイズになりピチピチの下着が見え隠れしているが彼女は気に留める様子も無い。
「ほら、部長もせっかく邪魔って言ってたものを無くしてあげたんだから新しくなった自分の体見てくださいよぉ」
すると彼女は凄い力で私の腕を引っ張り上げた。その時に来ていた服も下着も全部脱げてしまったけど、鏡の前に立たされた私はその事すら気にならないほどショックを受けた。
「そ……そんな……これが……私…………?」
震える手を鏡に当てながら自分の体を確かめていく。
もはや両手で押さえきれなかった巨乳はそこに無くペタンと平らたくなってしまった胸。美しいシルエットだったウエストは影も形もなくなりぽっちゃりとしたお腹。熟した桃のように丸みを帯びていたヒップラインは小さくなり、しゃがむと尖ってしまいそうなほど小ぶりになっていた。
3サイズはもはや全て同じ数字だろう、顔も端麗な細長い輪郭から顎の丸い童顔になっている。
もはや自信のある大人の女であった部分は無くなり、小さな子どもの、それこそ性器以外では男女の見分けがつかないほど幼い体つきになってしまっていた。
高校三年生とは思えないほど美しいスタイルだった私の体はそこにはなく、高校生どころか小学生と見間違うような体になった私が鏡の向こうに涙目で立ち尽くしていた。
「お、お願い……!!元に戻して!!」
私は見間違えるほど成長した井上さんに掴みかかって涙ながらにお願いする。
「やだなぁ部長……約束は守らないと駄目ですよぉ、それに邪魔っていってたから私がもらったんだし感謝してほしいぐらいですよぉ」
「じゃあ何よ!?私はこんな子供みたいな体を、また頑張って成長させないといけないわけ!?どれだけ苦労したと思っているのよ!?」
「……部長ぉ、もぅ頑張らなくてもいいんですよ?だって部長はもう十八歳じゃないですか、とっくに成長期すぎてますよ?だからそれ以上背が伸びることもないし、胸や骨格だって育つことはないと思いますよぉ?」
「そ……そんなぁ……」
私は目の前が真っ暗になった気がした。
「じゃぁ私はそろそろ行きますねぇ、服が小さくて大変なんですよぉ。ま、部長もせいぜい小学生と間違えられないように祈ってますねぇ」
井上さんはドアを開けて外に出ようとする。
「ちょ、ちょっと待ってよ!!」
「あ、それから先輩の体は余分にもらっておいたので私が蓄えておきますねぇ高く売れるんですよ、身長とかバストとか」
「何よそれ!!お願い待って!!元には戻れないの!?」
さっさと部室を出て行こうとする彼女を追いかけようとしたが、こんな体で全裸の私は呆然とその場にたたずんでしまった。
次の日から井上さんは学校を自主退学して消息不明になった。
私は家に帰って親を説得して何とか納得してもらったのだけど、以前みたいな期待はされずに逆にこれからは好きなことをやっていいと半ば放ってかれた。井上さんにほとんど持っていかれた私の体は予想以上に幼くなっており、首から下の毛は全て抜け落ちて、そのうちに恋愛感情を抱くことも自慰をすることもなくなった。
体だけで知能は奪われなかったので数年後、私は国立大学に合格して成績も優秀で通っているが、未だに小学生、酷いと幼稚園児にまで間違われ、それまで尊敬の眼差しでみていた高校のクラスメイトには病気だと説明したが、私がこんな体になったとたんにからかいだし、それは大学に入っても続いた。
今や成績が優秀だというのが私のギリギリのプライドで、牛乳をいくら飲んでも胸を揉んでも運動をしても彼女が言ったとおり成長期を過ぎた私が発育するわけも無く、私をこんな幼く屈辱的な体にした井上貴子という人物を探そうともしたが、おかしな事に戸籍も過去の住所も調べたのだかそんな人物はおらず、すっかりこの体に慣れて、アニメのキャラクターが入っている下着や可愛らしい動物の刺繍された子供服を着るのにも慣れてしまい今思うとあの美しい理想的な体だった私は、実は全部自分の妄想じゃなかったのかと思うときもある。
そして大学を卒業後、インターネットをしていると妙に気になる広告を目の当たりにした。
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