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政治
【正論】拓殖大学客員教授・藤岡信勝 河村氏への反響に時代の変化が
河村氏の疑問はそんな自身の経験から発している。「彼の地において(昭和12年に)大虐殺が行われていたのであれば、そのわずか8年後にこのような心温まる交流が実在し得るとは思えない。そこで、いわゆる南京大虐殺事件について再検証すべきではないかと思うに至った」というのである。
≪国会での質問主意書の成果≫
質問主意書では次の7項目にわたり疑問点が述べられている。
(1)歴史教科書のほとんどが南京虐殺を記載し、中には20万人虐殺という記述もあるが、これは日本政府の見解と理解してよいか
(2)東中野修道著『南京事件-国民党極秘文書から読み解く』では、市民虐殺を告発した西洋人の著書は、国民党中央宣伝部の制作した宣伝本だったことなどが示されているが、このような新たな研究成果を、政府は把握し歴史の再検証作業を行っているか
(3)「非戦闘員の殺害は否定できない事実」という政府見解や教科書記述の根拠は何か
(4)当時の関係者の聞き取り記録を政府は取得しているか
(5)政府見解には再考の余地はないか
(6)証拠写真として通用するものは1枚もないとの指摘があるにもかかわらず、記念館にそれらの写真が展示されていることをどう考えるか
(7)記念館を利用した反日感情増大政策は日中友好に悪影響をもたらすと考えるが、それを取り除くための努力をしているか
これに対する政府答弁書は、(1)について、「非戦闘員の殺害又は略奪行為等があったことは否定できない」としつつ、教科書検定は「国が特定の歴史認識や歴史事実を確定するという立場」ではなく「検定の時点における学説状況等に照らして」行うとした。
(2)、(3)、(5)についても、同趣旨を繰り返している。ただ、(6)と(7)については、記念館に展示されている「写真の中に、事実関係に強い疑義が提起されているものが含まれている旨を指摘している」と回答した。わずかながらもこのような政府答弁を引き出したことは成果と見なしてよい。
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