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【国際】

韓国・釜山の原発、一時電源喪失 

2012年3月13日 15時53分

 【ソウル=辻渕智之】韓国の国家機関、原子力安全委員会は13日、韓国南部・釜山にある古里(コリ)原発1号機で定期点検期間中に外部電源が供給されず、非常発電機も作動しない事故が発生しながら、電力事業者の韓国水力原子力が1カ月以上報告しなかったと明らかにした。原子力安全委は12日夜、事態を重視して4日から再稼働していた1号機の停止を緊急指示した。

 原子力安全委によると、事故は2月9日午後8時ごろ発生。外部電源の供給は12分後に復旧した。ただ、原子炉の稼働を停止した状態の点検中だったとはいえ、給電が途絶して原子炉や使用済み燃料プールの冷却に支障が出かねない事故だった。

 原子力安全委は事故が今月12日まで隠蔽(いんぺい)され、報告されなかった点も問題視。韓国の原子力安全法は、原発施設の故障などの事実は遅滞なく同委に報告するよう定めており、原子力安全法違反の可能性もある。稼働停止の緊急指示を受け、1号機は13日午後10時ごろに完全停止する見込み。同委は原因究明のため、調査団を急きょ派遣した。

 古里1号機は韓国最古の原発で、2007年に30年の設計寿命を終え、翌年から10年の運転延長に入った。九州・福岡から200キロの距離にある。今回は12〜15カ月ごとの定期点検で、核燃料棒交換とともに、原子力安全委は施設の経年劣化などを重点確認すると事前発表していた。

 【古里原発1号機】 韓国最初の商業用原発として1978年に運転を開始。たびたび故障が起きており、地元では閉鎖を求める動きが活発になっている。加圧水型軽水炉。出力58万7000キロワット。韓国南部の釜山中心部から北東約30キロの日本海沿岸にある。(ソウル支局)

(中日新聞)

 

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