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【社会】

地下鉄7号線延伸「現時点で困難」 検討委が報告

2012年3月13日 09時35分

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 埼玉高速鉄道の浦和美園駅から東武野田線岩槻駅を結ぶ地下鉄7号線延伸計画で、有識者による検討委員会(高松良晴委員長)は十二日の会合で、最終報告書をまとめた。累積黒字転換が四十四年後となるなど採算性の厳しい予測を踏まえ「現時点では(成功を見込んでの)事業化は難しい」とする一方、「関係者の努力で評価を高めることは可能」と、沿線開発など行政や地元が一体となった施策展開を求めた。 (前田朋子)

 報告書は「(採算性などが)一般的な目安には届いていない」とし、浦和美園駅周辺などの沿線開発や快速運転を実施するなどで、黒字転換が数年早まると指摘。延伸する場合は「いくつかを組み合わせて実施し、速やかに行動を起こすべきだ」と提言した。

 高松委員長は会合後、清水勇人さいたま市長に報告書を提出。記者団に「この数字では国の許認可を受けられない」との見方を示し「市は(延伸を)やめるかやめないかを判断する時期。不可能ではないが、やるなら性根を据えて」と述べた。

 延伸を決めて国の法律の枠組みを利用した場合に求められる負担は、県と市でそれぞれ約二百五十七億円。今後は県と市が報告書を踏まえ、巨額の財政負担をどう考えるかが焦点になる。

 清水市長は「厳しい数値だが、いくつかの施策の組み合わせで採算性などが向上するとも示されている。総合的に勘案して方向性を決めたい」と、新年度の早い時期に延伸の可否を決断する方針をあらためて示した。

 上田清司知事も「厳しい結果だが、まちづくりや鉄道サービス水準の向上に取り組むことで、延伸実現の可能性を高めることは可能だ。県としては、さいたま市にお願いするまちづくり以外の方策について、実務的な検討を進めたい」とのコメントを出した。

(東京新聞)

 

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