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絶滅したとされながら一昨年、山梨県の西湖で70余年ぶりに発見されたクニマスを増やす取り組みが進んでいる。昨年12月には、クニマスとおぼしき魚で人工孵化(ふか)に成功。親魚が本当にクニマスなのか、鑑定も進められている。
山梨県水産技術センターが、昨秋から毎月1回、西湖でクニマスとみられる魚を捕り、人工授精を続けている。12月から次々と稚魚がかえり、約200匹は、約3センチまで育った。
クニマスの再発見に一役買った東京海洋大客員准教授のさかなクンが、今月7日、同センター忍野支所を訪れた。
「ひゃーかわいい!」
稚魚が泳ぐ水槽をのぞき込むなり、かん高い声をあげた。今にもかえりそうな卵、生まれたばかりで腹に栄養の袋を抱えた稚魚もいる。「再び現れてくれたクニマスを見て、多くの人が生き物たちを取り巻く環境にも目を向けるようになってほしいです」と話す。