※ すべての機能を利用するには、JavaScriptを有効にしてください。

覚醒剤密輸事件で無罪判決

3月12日 21時54分

覚醒剤およそ10キロを日本に密輸しようとしたとして、ラトビア国籍の男性が起訴された事件の裁判員裁判で、東京地方裁判所は「覚醒剤のことを認識していたとは認められない」として無罪を言い渡しました。

無罪判決を受けたのは、ラトビア国籍の32歳の男性で、おととし10月、覚醒剤およそ10キロを石像に隠して南アフリカから日本に送って受け取ろうとした罪に問われました。
12日の判決で、東京地方裁判所の藤井敏明裁判長は「荷物の受け取り先のホテルの従業員などに対する被告の言動は、あまりにも緊張感を欠いていて、覚醒剤が隠されているという認識があったとは認められない」などと指摘し、無罪を言い渡しました。
この裁判は、初公判から判決まで41日間にわたり、裁判員を務めた40代の会社員の男性は「営業職なので、会社の理解や同僚の協力がなければできなかったと思います」と述べたうえで「難しい裁判でしたが、証拠に基づいて判断しました」と裁判を振り返っていました。
覚醒剤の密輸事件の裁判員裁判では無罪の判決が相次いでいて、判決について、東京地方検察庁の八木宏幸次席検事は「主張が受け入れられなかったことは遺憾だ」というコメントを出しました。