民主党北海道8区総支部(函館市など)代表の逢坂誠二衆院議員は12日、津軽海峡の対岸にある大間原発(青森県大間町)の建設凍結を国などに働き掛けるよう求める要請書を、高橋はるみ知事に手渡した。地元で建設反対の声が強まるのを受け、道に同調を促す狙いだったが、政権与党の議員が国への注文を求めるという展開に、高橋知事は大間原発の必要性や安全性を問いただす「逆要請」の文書を渡して切り返した。
大間原発は東日本大震災後、建設が中断している。函館市の工藤寿樹市長は無期限凍結を求めているが、同市や道は事業者のJパワーと安全協定を結んでおらず、建設再開や運転開始に直接関与できる機会はない。
逢坂氏と高橋知事はともに笑顔だったが、終了後の道幹部は「大間原発は国策で建設している。(逢坂氏は)与党なのに何をしに来たのか分からない」と困惑気味。別の幹部も「国は(建設の賛否を)判断するための情報を出していない」と指摘する。
一方、記者会見を開いた逢坂氏は「(知事は)引き替えのように要請書を出してきた。何を考えているのか」と怒りをあらわにし「(建設の賛否について)知事は主体的な考え方を全く述べなかった。道民の思いを受け止めているのか」と批判した。【片平知宏】
毎日新聞 2012年3月12日 23時07分(最終更新 3月12日 23時16分)