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細胞移植で大腸修復 潰瘍治療期待

3月12日 4時4分

細胞移植で大腸修復 潰瘍治療期待
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大腸の粘膜の細胞を体の外で増やして移植し、潰瘍の出来た部分を修復することに東京医科歯科大学の研究グループがマウスを使った実験で成功しました。
潰瘍性大腸炎などの新たな治療法の開発につながると期待されています。

東京医科歯科大学などの研究グループは、マウスの大腸の粘膜から採取した細胞を特定の3つのたんぱく質を加えた液体で培養すると、増殖を繰り返すことを突きとめました。
そして、粘膜が傷ついて潰瘍のできた大腸に増やした細胞を移植したところ、1か月後には傷の凹凸がなくなり、潰瘍の出来た部分を修復することに成功したということです。
通常の粘膜の細胞は、移植しても5日程度で死んでしまうことから、研究グループでは培養に使った3つのたんぱく質が粘膜の細胞を作り出す幹細胞の増殖を促したのではないかとしています。
これまで難しかったヒトの大腸の細胞の増殖も同じ方法で繰り返しできるようになり、難病の潰瘍性大腸炎などの新たな治療法の開発につながる可能性があるとみられています。
研究グループの渡辺守教授は「実用化に成功すれば、検査で採取したわずかな細胞を使って大腸の潰瘍を治療できることから患者の負担が小さくて済む。着実に研究を進めたい」と話しています。