鹿児島市の桜島の昭和火口で12日午後、爆発的な噴火があり、大きな噴石が2合目まで飛びました。
気象台と鹿児島市は、今後も大きな噴石が飛ぶおそれがあるとして、住民が暮らす地域に近い、火口からおよそ2.4キロの範囲に立ち入らないよう呼びかけています。
鹿児島地方気象台によりますと、12日午後3時7分、桜島の昭和火口で爆発的な噴火があり、大きな噴石が火口からおよそ2.4キロの2合目まで飛びました。
鹿児島市消防局によりますと、これまでのところ住民や住宅への被害の報告は入っていないということです。
鹿児島地方気象台は、今後も大きな噴石が火口から2キロを超え、住民が暮らす地域の近くまで飛んだり、火砕流が起きたりするおそれがあるとして、午後3時35分に火口周辺警報の内容を切り替えて、警戒が必要な範囲を、これまでの火口から「2キロまで」から、「居住地域近くまで」に拡大しました。
これを受けて鹿児島市は、火口からおよそ2.4キロの範囲に立ち入らないよう呼びかけています。
桜島で大きな噴石が2合目まで飛んだのは、平成21年3月以来のことです。
鹿児島地方気象台の松末伸一調査官は「今後、人が住む場所の近くに噴石が飛ぶことが続けば、噴火警戒レベルを引き上げることなども考えなければならない」と話しています。
桜島は、去年、年間の爆発回数が過去最も多い996回となり、ことしもすでに300回を超え、去年を上回るペースとなっています。
87歳の男性は「ふだんよりも大きな噴火でびっくりした。噴石さえ来なければ大丈夫だと思っているが、様子を見ないといけない」と話していました。
また、80代の女性は「噴火は慣れてしまっているが、きょうは特に大きかった。大砲の弾が飛ぶような音がした」と話していました。
京都大学火山活動研究センターの井口正人准教授は「過去にも噴石が2合目まで飛んだ爆発があったが、その後噴火活動が収まることもある。今回の爆発で今後の噴火の傾向がどうなるかまだ分からないが、今のところ、直ちに大規模な噴火が起こる兆候は見られていない。しかし、桜島の活動は、ここ数年活発化の傾向にあり、今後も活動の推移に注意が必要だ」と話していました。
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