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兵庫に漂流の漁船 釜石の遺族に

3月12日 15時19分

兵庫に漂流の漁船 釜石の遺族に
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東日本大震災の津波で、岩手県大槌町から日本海側の兵庫県沖まで流された小型の船が12日、釜石市に住む遺族に引き渡されました。

遺族に引き渡されたのは、津波で亡くなった大槌町の野崎長一さん(63)が所有していた「第3長栄丸」です。
この船は、大槌町の吉里吉里漁港に係留されていましたが、津波で流され、去年の大みそかに日本海の兵庫県香美町の沖合で漂流しているのが見つかりました。
船は、震災から1年の11日、香美町からトラックで運び出され、12日に釜石市に住む次男の貞治さん(33)の元に届けられました。
船がトラックから降ろされると、貞治さんは船の中をじっくりと見て確かめていました。
この船は、釣りが好きだった長一さんが10年余り前から所有していたもので、貞治さんは長一さんがふだん座っていた場所に遺影を飾っていました。
貞治さんは「父には『やっと帰ってきました』と伝えたいです。父がいないのは残念ですが、船が帰ってきたのは希望で、直して海に浮かべることを目標に、あしたから頑張ってきたい」と話していました。
船を運んだ仲村正彦さんは「形見の品を無事、持ってこられてよかったです。喜んでもらえて、23時間かけて運んだかいがありました」と話していました。