花粉に含まれる放射性物質、健康に無害＝林野庁

日本の3月は花粉シーズンのピークだ。そして今年はいつもと少し違う。放射性物質を含んでいるからだ。

福島第1原発の事故から1年、放射性物質は東北地方を中心として飛散した。その汚染の一部はいま樹木によって再度、拡散されている。最たるものはスギだと考えられている。

スギは全国的に生育しているが、特に東日本の丘陵地や山岳地に多い。2月から3月の間、スギは枝先の小さな松かさから大量の花粉を放出する。花粉は100マイル（160キロ）以上も漂うことができ、大まかに言って日本人の30％が花粉症に苦しむことになる。2008年のように花粉の量が多い年は、1立方メートルに数百もの胞子が含まれることがある。樹木の多い群馬県ではこの年、1立方メートルに含まれるスギ花粉は2207個を数えた。

今年の問題は福島の事故後に拡散した放射性物質のセシウムだ。研究者は昨年夏、スギの葉からセシウムを検出した。ただ、どのようにスギの葉にセシウムが蓄積されたのかは未だに不明だ。林野庁はスギの葉にセシウムが含まれるなら、花粉にも含まれる可能性があると結論し、数カ月前に全国182カ所で松かさと花粉に含まれるセシウム量の調査を始めた。

「空からまたセシウムが日本中を襲うんじゃないか、という恐れがある」と、林野庁森林整備部研究・保全課森林保全推進室の山口孝氏は述べた。

しかし、政府によると、今年の放射性物質を含んだ花粉は健康には問題ないということだ。調査では避難区域内の福島県浪江町のように特に高い値が出たところもあったが、林野庁は人々の鼻に花粉が到達するまでには、セシウムの水準が低下するだろうと結論付けた。

政府によると、仮に今年のピークシーズンに飛散する花粉のすべてが、調査で発見された最大の水準で汚染されていたとしても、人体に蓄積される放射性物質の量は0.000553ミリシーベルトで、これは胸部レントゲンで浴びる量の約100分の1であることがわかった。

念のため、日本地球惑星科学連合は花粉シーズンを控え、花粉量と放射性物質に関する独自の計測を実施している。

政府の結論？　「気になる方はマスクを」と、山口氏は述べた。

記者： Phred Dvorak

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