大館市の3月定例議会は28日招集され、会期を3月19日までの21日間と決めた後、小畑元市長が行政報告に臨んだ。この中で、岩手県沿岸北部4市町村のがれきの処理について市長は「議会や市民から十分に意見をうかがいながら検討する」とした。県内では大仙市に続いて仙北市が28日に、がれきの受け入れを表明した。 今定例会の初日上程議案は、24年度一般会計当初予算案、23年度同補正予算案など予算案43件、条例案23件など計70件。うち同当初予算案は市長、市議の両選挙を背景に骨格型とした前年度当初に比べて9億1,561万1,000円、3.1%増の302億3,625万1,000円。 また、同補正予算案は10億2,141万6,000円を追加し、当初からの累計を339億2,026万円7,000円とする。国の第4次補正予算の成立に伴い、大館一中第2体育館改築工事費などの補正予算案を、会期中に追加提案する予定。主な行政報告内容は次のとおり。 <大震災への対応状況など> 26日現在の大館市への避難者は19世帯51人で、12月定例会で報告したときより1世帯減少した。市はこの冬、避難者支援の一環として、日本赤十字社が行う手編みマフラープレゼントのあっせんや「冬道の運転講習」への参加協力を実施した。 放射性セシウムを含む一般廃棄物の焼却灰の取り扱いについては、関東圏の自治体から大館市に搬入され保管されていた焼却灰が、1月10日をもってすべてのコンテナが排出元に返却された。また、被災地の「がれき処理」については、今月7日に県と岩手県との間で協定が結ばれ、大館市も被災地の一日も早い復興に向けて支援が必要と考えており、がれきの受け入れの可能性と方法などについて議会や市民から十分に意見をうかがいながら検討する。 市の防災対策は、災害発生時に職員が緊急に避難所を開設・運営するための「避難所開設・運営マニュアル」を昨年12月に策定し、大地震などが発生した際にはこのマニュアルに従って初動対応を取るよう、全職員に指示した。また、1月16日から携帯電話を活用した「エリアメール」を導入しており、緊急情報が一層受信しやすくなるものと期待している。 防災協定は、昨年12月21日に兵庫県篠山市との間で「災害時における相互応援に関する協定」を、1月20日には県と県内25市町村による「災害時における秋田県及び市町村相互の応援に関する協定」を、今月10日には県石油商業協同組合大館支部との間で「災害時における石油類燃料の供給に関する協定」を締結した。今後も市民の安全・安心を守るため、防災体制の強化に努める。 <大雪への対応及び雪害の状況> この冬は12月中旬から降雪が続き、昨年と同様大雪となった。また、1月から2月にかけて低温の日が続いており、特に1月29日には観測史上最低のマイナス19度を記録し、1月の真冬日は過去最多日数に並ぶ18日。この低温で融雪が少ないことなどに伴い、除排雪回数が多くなっており、除雪経費も例年に比較して増加している。 大館市での雪害状況は26日現在、屋根からの転落などによる負傷者19人、住宅などの損壊15件、農業用パイプハウスなどの倒壊15棟のほか、一部の地区では停電や倒木が発生した。 市災害警戒対策室は、雪の処理に困っている市民からの相談や問い合わせに対応するとともに、市広報やホームページ、報道機関を通じて、市や関係団体が行う除雪支援事業などの周知を図っているほか、「県雪下ろし注意情報」が当地域に発表されるたび、緊急時情報一斉配信システムなどで市民に注意を喚起している。今後は、気温の上昇に伴って融雪による被害が予想されるため、引き続き警戒に努める。 <第5期介護保険事業計画> 24年度から26年度までの第5期計画では高齢化の進行などに伴い、引き続き介護給付費の増加を見込んでいるが、介護保険料については負担能力に応じた所得段階区分に細分化するとともに、県の財政安定化基金交付金の充当や市の介護給付費準備基金の取り崩しにより、給付費の増加に伴う保険料の上昇を抑えている。 同計画では、保険給付総額を前期計画に比べて17.3%増の約264億円を見込み、保険料の基準月額を19.8%、額にして867円増の5,239円に設定。同計画案について1月下旬に市内6会場で市民説明会を開催しており、今月14日には第3回介護保険事業計画運営委員会で市民説明会での意見を報告するとともに、計画案を諮問し、承認の答申を得た。介護保険料の改定などについては、今定例会に関係条例案を提出している。 <日本海沿岸東北自動車道の整備状況> 日本海沿岸東北自動車道の大館北・小坂間は、5つの橋梁と5カ所のトンネルが延長の約75%を占めるが、これまですべての橋梁が架設され、4カ所のトンネルが貫通しており、残る雪沢第一トンネルも3月10日に貫通式が予定されている。 また、大館西道路は大館南IC・二井田真中IC間の2.6キロを延伸し、12月17日に供用開始している。現在、釈迦内地内で橋梁工事などを進めており、25年度には大館・小坂間が開通し、全国の高速自動車道ネットワークへの接続が、いよいよ現実のものとなる見込み。 鷹巣大館道路は、摩当山トンネルが昨年貫通し、現在は北秋田市の栄トンネルの工事が順調に進み、全体事業費ベースで進捗率は5割を超え、平成20年代後半の開通が見込まれる。ミッシングリンクの解消を訴えてきた二ツ井白神IC・あきた北空港IC間は、昨年国から現道活用の方針が示され、24年度政府予算案に盛り込まれたため、今後は当区間の早期着工を強く関係機関へ要望し、日沿道の全線開通に向けて努力する。 <公共下水道の整備状況> これまでに280億4,000万円の事業費を投入しており、本年度末には認可区域の83.9%にあたる1,242ヘクタールが整備される。 この4月からは、大館地域は御成町・中道・有浦・根下戸新町の一部、比内地域では味噌内の一部、田代地域は茂屋の一部のあわせて約44ヘクタールを新たに供用開始する。これにより、対象人口3万5,200人、1万4,400世帯が下水道を利用できることになり、大館市の普及率は1.7ポイント増の44.6%となる見込み。 24年度は、御成町南地区土地区画整理事業の進捗に合わせた整備を行うとともに、引き続き御成町・有浦・根下戸新町・味噌内・茂屋などを整備し、新たに観音堂の整備に着手する。また、板子石・大田面・狐台などの都市計画用途地域の整備のため、計画区域の拡大を予定している。 この中にある菅江真澄の著作46点は、貴重な民俗資料として県有形文化財に指定されており、そのほかの資料はすべて市指定有形文化財としている。市は、これらの原本保存と併せてその活用を図るため、資料のデジタルデータ化を進めており、4月からは中央図書館内のパソコンで常時閲覧可能とするほか、菅江真澄の著作については市のホームページにも掲載し、広くアクセスできるようにする。 また、今月10日、県文化財保護審議会から県教育委員会に対し、二井田温泉寺にある安藤昌益の墓を県史跡に指定するよう答申があり、正式に指定となったあかつきには、安藤昌益関連の諸資料と併せて、広く顕彰に努めたい。 <医療費等のクレジットカード支払い> 総合病院と扇田病院は入院、外来、人間ドックなどの診療費をクレジットカードで支払いができるよう、加盟店契約を締結し、4月2日から取り扱いを開始する。利用可能なカードはVISA、MasterCard、JCB、DCなどで、カード支払いの要望に十分応えられるものと考えている。今後も市立病院の利用者の利便性向上とサービスの充実に努める。 |