2012年3月11日付
大館市では「3.11集会」
 
大震災発生から1年

県内でも各地で追悼行事

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大館市で開かれた「守ろう命、さよなら原発、復興支援 私たちにできること」と題した集会

 東日本大震災発生から1年を迎えた11日、秋田北地方をはじめ県内でも各地で追悼行事などが行われた。このうち大館市では「守ろう命、さよなら原発、復興支援 私たちにできること」と題した集会に市民など約200人が参加。報告者の発言では、県内でも一部で受け入れを決定した災害廃棄物(がれき)の処理に一石を投ずる声も聞かれた。

 警察庁が10日現在でまとめたところでは、大震災の死者は1万5,854人、行方不明者は3,155人にのぼるほか、約34万4,000人が現在も避難、転居生活を余儀なくされている。

 秋田北地方ではきょう、大館市中央公民館で「3.11大館集会」、鹿角市の鹿角観光ふるさと館「あんとらあ」で復興チャリティー応援会、北秋田市の「みちのく子供風土記館」で鎮魂を祈る茶会などが行われた。

 うち大館地域労連などで構成する実行委員会が主催した「3.11大館集会」には、約200人が参加。初めに仲澤正弘実行委員長が「福島第1原発は、東京電力と国が起こした人災。命と原発は共存できない」と強調し、「なくせ原発、さよなら原発」と結んだ。

 続く報告者の発言では、最初に年明け1月5日に福島県から仙北市に「息子とともに着の身着のまま逃げてきた」という中田麻意さんが、現地で被爆症状に苦しめられ、本県で保養するうちに治癒してきたことや、福島県内の仮設住宅に住む子どもたちに玩具を配るボランティア活動をしていたことなどを紹介。また、「きょうは私の誕生日。去年の誕生日は、一生忘れられない。1年前に比べて前向きになった気がする」と述べた。

 さらに中田さんは、大館市の小畑市長なども議会や市民の意見を得ながら検討したいとの見解を示した被災地のがれき受け入れに対し、「がれきの拡散や広域処理が絆や助けあいだと言っているが、本当に安全なのか。私は納得のいく説明を受けたことがなく、疑問だらけ」と一石を投じた。その上で、「福島にはあまり見られないが、仙北市をはじめ、秋田県内には空き家がたくさんある。がれきを受け入れるより、そうした空き家に福島の子どもや親たちを呼び入れてほしい」と訴えた。

 このほか、大館市のNPO法人で活動している浅利博樹さんは、支援ボランティアとして岩手県大槌町を3回にわたって訪れた際の体験談を紹介し、「何かをしなくてはならないという気負いより、身の丈に合った無理のない範囲で、ささやかなボランティアをする必要があると感じた。自分にできることはないか。そう思うだけでも復興につながる」と強調。

 集会では震災が発生した午後2時46分に全員で黙とうし、「全国各地の運動に学び幅広い市民の共同を広げ、『さよなら原発』の活動を続けていきます。人類と共存できない原発を、1日も早くなくしましょう」などを趣旨とする「アピール」を宣言し、復興を祈る行進「ピースウオーク」を市中心部で行った。 (午後4時)