健康に影響を与える光化学スモッグの原因となる、「光化学オキシダント」という大気中の有害物質が、昨年度、全国のすべての測定地点で環境基準を超えたことが分かり、環境省は、原因となる物質が中国大陸から拡散していないか監視を強化するとともに、詳しい発生源などの研究を進める方針です。
光化学スモッグは、窒素酸化物と揮発性のある有機化合物が、紫外線によって大気中で化学反応を起こし、「光化学オキシダント」という有害物質が高い濃度で発生した場合に起きる、公害の一種で、目やのどの痛みや、呼吸障害を引き起こすことがあります。
環境省の調査で、「光化学オキシダント」の濃度が、昨年度、全国1100か所余りのすべての測定地点で環境基準を超えたことが分かりました。
測定値は、光化学スモッグが社会問題化した1970年代の水準の半分以下で、深刻な事態ではないということですが、原因となる窒素酸化物や有機化合物は、排ガス規制などで削減が進んでいるはずで、なぜ、「光化学オキシダント」の濃度が高まっているかは、分かっていないということです。
このため環境省は対策の検討を進め、中国大陸から窒素酸化物などが日本に拡散していないか、監視体制を整えるとともに、正確な排出量や発生源の研究を進める方針です。
[関連リンク] |
|