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5つ星のうち 4.0
日本にいてはわからないことがわかります。, 2012/2/28
レビューを見ていると賛否両論あるようですが、日本と中国のそれぞれについて
比較的客観的な視点から分析がされているように思えましたし、
日本にいては見えてこないようなことを知ることができたという意味では、
大変参考になる本でした。
参考にはなりましたが、あくまで著者一人の意見、考えですので、鵜呑みにはできません。
そのほかの、いま現在中国で仕事や勉強をしている日本人はどう考えているのだろう、
ということも同時に気になりました。
(幸い友人の何人かが中国にいますので、機会があれば訊いてみたいと思っています。)
あと、ちょっと気になったのは、
さりげない自慢が其処此処にちりばめられているところ。
中国をはじめとした海外の人から見たら、これでも控えめなほうなのかもしれませんが、
それでもやっぱり「日本人」から見ると鼻につきます(笑)
あーこの人いまの自分が大好きなんだろうなー、
日中問題を通して、結局は自分を表現したいんだろうなーなんて思ってしまいました。
(でも、このくらいの年代って多かれ少なかれそういうところありますよね。)
そして学生時代はたぶん、周囲になじめない自分に劣等感を感じつつ、
同時に、その周囲に対して優越感を感じてきた人なんだろうなあ、と、
自分も著者ほどではありませんが、打たれる杭を経験してきたので、そう感じました。
また著者の場合、日本について辛口の意見が多いのが目に付きます。
それには、母国を案じているということももちろんあるのでしょうが、
著者が日本人に独特の「空気」を嫌悪していることが少なからず影響しているように思われます。
たしかに著者の指摘は鋭く、無視できないものがあります。
ですが、日本人に独特の「空気」のなかには、著者が嫌うような短所だけでなく、
同時に世界に誇るべき長所も含まれていて、それが日本人を日本人たらしめているように感じられるのです。
著者自身が書いているように、長所と短所は表裏一体ですから、ただ時代に合わせて変化すればいい、と
そんな単純な話ではないように思われます。