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2011年7月 6日 (水)

CLAYMORE 1 銀眼の斬殺者

最近、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」に少し傾倒していたので、ちょっと気分転換に「クレイモア」を紹介したい。
「クレイモア」は八木教広先生の代表作で、現在も「ジャンプスクエア」誌上において連載中の漫画だ。

八木先生の連載デビュー作が「エンジェル伝説」といって、主人公の北野誠一郎君は悪魔のような恐ろしい顔と天使のような純朴な心を持った高校1年生の少年。
周囲の学友からは凶暴な番長として勝手に祭り上げられながら、本人はまったく別のところに意図があるのに、結果として番長としての役割を果たしていってしまうという、よくあるギャグ漫画だった。
決して絵もうまくなくて(八木先生、ゴメン!)、人物の描き分けにもまだまだ難があったのだが、ワシはあのトボけたバカバカしい笑いが心を和ましてくれるようで、結構、気に入っていたのだ。

その八木先生の現在、連載中の漫画が「クレイモア」だ。
ワシはこの連載を通して八木先生の漫画家スキルが向上していると感じているので(生意気だねw 重ね重ね、八木先生、ゴメン!)、特に注目して読んでいるんだよね。

まず第1巻はクレイモアの世界観を読者に紹介することを意識しながら物語が展開しており、導入としてはまずまずだと思う。
厳しいことを言えば、世界観の設定の詰めがまだまだ甘くて、雰囲気でごまかしている面も多いが、逆に言えば、最初は大雑把な方があとあと設定を変更しやすいという編集者側の意図があるのかもしれない。

主人公は半人半妖の≪銀眼の魔女≫クレイモアの女性クレア。
クレイモアとは、人間がその体内に妖魔の血肉を取り入れることで、妖魔と戦う力を身につけた存在なのだが、目と髪の色が銀色で、年もほとんどとらず、食事もほとんどとる必要もない。
どちらかといえば見かけは人間に近いものの、内在する能力は妖魔の方に近いんじゃないかと思えるような存在。
そして一般人からは、妖魔を倒すために必要とされている一方で、人間とはみなされていないので毛嫌いされている存在なのだ。

だからクレイモアになる人間にはいろいろな背景をもった人間が多い。
主人公のクレアにも、あとになって紹介されるのだが、複雑な背景があってクレイモアになる道を選んだ。
しかし、その話はまた後日だ。
ついでに言っておくとクレイモアになれるのは女性のみという設定。
男性は自己制御が出来なくて、半人半妖ではなく、そのまま妖魔になってしまう(覚醒という)ことになっている。

この第1巻では、クレアの人生にとって重要な位置を占める一人の少年ラキとの出会いが描かれている。
このラキの目を通して、読者にクレイモアという存在とその世界観を説明しているわけだ。
通常、人間社会とは一線を画して生きるクレイモアにとって、人間との交流はあまり持たないのだが、妖魔によって身寄りをなくしたラキ少年に、クレアは自らの幼き時代を重ね合わしたのだろう。
自分を慕って付いてこようとするラキ少年を突き放せず、結局、同行を許すことになるのだ。

そしてクライマックスは、クレアが仲間のクレイモアを殺す役割を引き受けることを通して、クレイモアの悲しい宿命に触れていく。
それは、クレイモアが自らの中に潜む妖魔の力を使えば使うほど妖魔の力が強くなり、ついに人間としての力(主に精神力)を越えてしまうと妖魔と化してしまうのだ。
だから自分が人間としての意識を保っていることに限界を感じた時に、人間としての意識がある内に、最も親しい仲間に殺してもらうという習慣があるのだ。
クレアは親友エレナから死の嘆願書でもある「黒の書」を受け取り、エレナを殺す。
エレナは人間として死んでいけることに感謝しながら死んでいく。

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クレイモアの宿命を目の当たりにしたラキは大きな衝撃を受ける。
ラキ「どうしてだよ。どうして……どうして、こんなに辛いのに、妖魔と闘うんだよ。闘わなければ…闘わなければ…エレナも死なずにすんだし…クレアだって…」
クレア「それが私たちの…存在理由だからだ…」

 
 
 
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