グワシは『まことちゃん』人気の要となり、日本中で爆発的に流行しました。それと共に「足でグワシができる」(=図5)「体中でグワシができる」(=図6)等と言う読者も現れました。サバラ、SABA GWASHILA等も含め、読者は楳図かずおといっしょに「いろんなグワシ」を考え出すことに熱狂しました。(=図7)中指を立てる初代グワシが中指と小指を折る2代目グワシに取って代わられ、また、全国的にグワシのアレンジャーが発生する状況は、グワシのバリエーションを生みましたが、同時にそれは「グワシとは何か」がわかり難くなるという事態を招いたのでした。
【図5】「ワシは足でグワシがでける!」と豪語するSHIGEKI・TANABE氏は初代グワシの危険性を指摘した功労者でもあります。
【図6】「オレは体じゅうグワシができる!」小野寺直哉氏の大技は中国雑技団並です。手も足もグワシになっている点に注目。
【図7】「今、いろんなグワシがはやっているけど
これがいちばんカッコイイのら その名をグワシ戦闘機!!」と満足げな中川康司氏。
そんな中、混迷するグワシ界に新たな秩序をもたらしたのが、福島県会津若松市の斉藤周一氏(=図8)でした。斎藤氏は「グワシ免許書」と称し、指サイン能力に級と段を設けることを提案したのです。これは指サインを、すべての指を曲げて拳をつくる四級(=図9)、親指と小指を立てる三級(=図10)、中指を立てる二級(=図11)、人差指と薬指を曲げる一級(=図12)、薬指を立てる初段(=図13)、親指と薬指を立てる二段(=図14)、小指と中指を曲げる免許皆伝(=図15)の七階級に分けるというものでした。このように、一口にグワシと言っても、いろいろな種類が存在するのです。
【図8】グワシ免許書の開発者、斎藤周一氏。筋肉質な腕からは、いかにもダイナミックなグワシが繰り出されそうです。
【図9】四級グワシ。いわゆるグー。
【図10】三級グワシ。耳に当てれば電話のジェスチャーにもなります。
【図11】二級グワシ。いわゆる初代グワシ。
【図12】一級グワシ。いわゆるグワシ戦闘機。
【図13】初段グワシ。二級グワシと見間違えやすいので、やっぱりアメリカではやらない方が賢明でしょう。
【図14】二段グワシ。他指の力を借りず小指を曲げることができるか否かが、グワシの成功・不成功を決めます。
【図15】免許皆伝グワシ。一番難しいのは初段グワシだという説もあります。