2012/03/11 発行 ※画像が表示されない方はこちらからご覧下さい | 配信中止はこちらから |
取材に訪れた東北で、何度も耳にする言葉がありました。「この街のこと、東北のこと、たまには思い出してくださいね。」あの時、少しさみしそうな笑顔で見送ってくれた人たちが、今の東北を支えています。
東日本大震災から一年、沿岸部では未だ「震災」は終わっていません。日々、迷ったり戻ったりしながら、少しづつ前へ進む毎日が続いています。
すこし元気をとり戻しはじめた東北に、皆さんが足を運ぶきっかけとなることを願って。「東北まぐ」第8号をお届けいたします。
「みなさんの懐かしい 「飲食店にしか流通しない高級マグロも、お得値で小分け販売致しますよ」と斉藤商店のおかみさん 「町の復活と漁業存続のため、外から人が来てくれる仕掛けを考えているんだ」とOHガッツの伊藤さん 「なんとか会社が再建に向かっています。埋もれた缶詰を一緒に掘りおこし洗ってくれた方、買ってくれた方のおかげです」と木の屋石巻水産の松友さん 居酒屋「時代屋」では、新鮮な魚介のお刺身(1人900円)をぜひご賞味ください。 |
8ヶ月ぶりにやって来た塩釜仲卸市場。近海マグロの専門店、斉藤商店を訪れると「久しぶりだねぇ」と斉藤初子さん(3号に掲載 )が迎えてくれました。5月の市場再開以来、お客さんの足並みがもとには戻らず苦しい10ヶ月だったといいます。そうした中、近県の秋田や山形のお客さんがいち早く顔を見せ、足しげく通ってくれました。「おんなじ東北人同士、支えあって行きましょう!」という声が今でも忘れられません。
Information 「俺は職人だから、これしかないよ」とすがすがしい笑顔で話してくれたのは、すずり職人の遠藤弘行さん(5号に掲載 )。秋に取材で訪れたときは、市の復興業務を手伝う傍ら、合間を縫ってすずりを彫っていた遠藤さんでしたが、今年に入って、すずり一本の生活に戻したそうです。これからは海外も視野に「美術品としても評価される作品作りに挑みたい」と、新しい挑戦にも前向きです。
Information 「これからはもっと、外の人の力が必要になるよ」と話してくれたのは、合同会社OHガッツの伊藤浩光さん(3号に掲載 )。雄勝の魚介養殖を見守りながら、 漁師とともに 収穫にも参加できる「そだての住人」制度をスタートさせ地元漁業の復興を目指しています。現在2500口が集まり、10月以降のべ1000人がここを訪れたそうです。この日も外資系企業の担当者が、「うちの社員食堂に雄勝のわかめを出せないか」と打ち合わせに来ていました。自立的な経済復興を目指し、新しい漁業の形を模索する伊藤さん達の挑戦は始まったばかりです。
Information 「僕たちは、まだ振り返る余裕がないですね。震災の日に始まった"予想外の事態"が、今もずっと続いている感じです」と語ってくれたのは、泥に埋もれた缶詰を掘り起こし、会社復活を目指していた木の屋石巻水産の社員の方たち(1号から6号まで連載 )です。 東京の「木の屋カフェ」で缶詰販売や広報に奮闘していた社員の松友さんは、 石巻に戻って工場再建の準備に追われる毎日といいます。3月11日には、木の屋石巻水産の復活の軌跡や東京・経堂の飲食店との繋がりを描いた絵本「きぼうのかんづめ」(文:すだ やすなり、絵:宗誠二郎)が刊行されます。
Information 「空で一つに繋がっている」と話してくれたのは、昨夏の福島取材中にお会いした小川香澄さん。現在は、3月11日の空の写真を日本中、世界中から集めて1つの作品にし、南相馬市に送る【みんなの空】プロジェクトを写真家の大杉隼平さんと一緒に進めています。「原発事故の影響で、外で遊べなくなった子供達がいます。3月11日に空を眺めたなら、晴れていても雨が降っていてもぜひあなたの町の空の写真を撮って送ってほしい」と呼びかけます。
Information 「街も落ち着いてきたから、遊びに来てほしいね。」と語るのは、石巻の居酒屋「時代屋」のマスター、瀬木丈夫さん(1号に掲載 )。年末までは、ボランティアや復興工事の関係者がたくさん来てくれたといいます。最近は、ようやく地元のお客さん達も戻りつつあり、少しづつですが石巻も落ち着いて来たと話してくれました。(H.K)
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岩手県民の足・岩手県交通
岩手県内を走るバス会社「岩手県交通」。岩手県内の盛岡より南のほとんどの地域に路線を持つ、岩手県民の重要な足です。 |
緑が美しい 岩手県交通バス |
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〜教育の現場から・
震災で家屋を失い、通い慣れた塾を津波で流され子供達が被災地には残されている。仮設住宅では家族が寝静まったあと、こたつで教科書を広げる受験生の姿があった。「勉強がしたい」「夢をあきらめたくない」という子供達の為に、コラボ・スクール「大槌臨学舎」が開校した。(連載2回目、前回はこちら ) |
被災地だからと言って、受験は待ってくれない 今期は85名の中学3年生がここで受験にそなえた 生徒1人1人と向き合う時間を大切にする、今村さん
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エルシド 1449円 洋酒を思わせるような瓶のデザインは一般的な焼酎と一線を画す。 今回はロックで試飲。柔らかな飲み口は男女問わず好まれそう。 |
ゴチまぐ!編集部
今回は主原料はとうもろこしを使った一風変わった焼酎をご紹介しましょう。
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