ニュースランキング

'12/3/11

スマホは軍事的脅威 米国防総省が危機感

 【ワシントン共同】現代生活に不可欠となりつつあるスマートフォン(多機能携帯電話)が軍事的脅威に―。一般向けの電子機器の急速な高度化によって、米国の軍事上の優位が脅かされていると米国防総省が危機感を募らせている。

 警告を発したのは、同省の一機関である国防高等研究計画局(DARPA)。同局のガブリエル副長官は11日までの下院軍事委員会での証言で、15年ほど前は軍事用にしか使われなかった高度なセンサーなどが携帯電話など一般用の小型電子機器に内蔵されるようになったと指摘した。

 現代の戦争では戦闘を優位に進めるため、敵の電波情報を収集し味方に伝えるなどの「電子戦」を重視。専用の軍用機も存在しており、米軍はこの分野で優位を保ってきた。

 ところが最近、電子戦に必要な電子機器の9割以上が市販の部品で作ることが可能になったという。このためガブリエル氏は「米国は1997年前後から軍事上の支配力を失ってしまった」と憂慮。米軍は対応策の検討が急務と訴えている。

 DARPAは東西冷戦下の58年、軍事技術などの研究促進を目的に設立された。




HomeTopBackNextLast