中国ハッカーがF35のデータ盗む 英日曜紙報道
産経新聞 3月11日(日)17時22分配信
【ロンドン=木村正人】11日付の英日曜紙サンデー・タイムズは、英防衛産業大手BAEシステムズが開発に加わる米国主体の最新鋭ステルス戦闘機F35のデータを盗み出すため、同社のコンピューターに中国のハッカーが侵入していたと報じた。中国はステルス戦闘機「殲20」を開発中で、不十分なステルス性能やレーダー能力を補うため、F35の最新情報を入手していた疑いが浮上した。
F35の開発主体は米航空防衛機器大手ロッキード・マーチンで、開発コストを抑えるためBAEなども計画に参加している。
報道によると、中国のハッカーはF35の設計図や性能、電気系統などのデータを盗むため「スピアフィッシング」と呼ばれる手口を駆使。米国家安全保障局などになりすましてBAE関係者の名前やパスワードを聞き出し、1年半にわたって同社のコンピューターに侵入していた。
相手を先に探知して撃墜する最新レーダーのデータが盗まれた可能性があり、将来、F35を配備しても中国の殲20に対して制空能力の優位性が損なわれる恐れがある。日本は昨年末、次期戦闘機としてF35導入を決めたばかりだ。
F35の開発が予定より大幅に遅れ、費用がかさんでいるのは中国によるサイバー攻撃の影響という憶測もある。元米高官は同紙に対し「中国がF35の機密を入手したのは間違いないが、すべてではない」と話している。BAEはコメントを拒否している。
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最終更新:3月11日(日)17時22分