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立川孤立死:異変通報受けた市、5日間放置

 東京都立川市の都営アパートで母娘とみられる女性2人の遺体が見つかった問題で、市は2日にはアパートを管理する都住宅供給公社から「1週間ほど連絡が取れない」と通報を受けながら、5日間放置していたことが分かった。近隣住民は先月20日ごろ、異変を察知して公社に連絡していたという。

 警視庁立川署によると、見つかった遺体はアパートに住む90代と60代の母娘と見られ、いずれも死後1週間以上経過。近所の人によると、母娘は2人暮らし。母親は認知症で、娘が介護していた。

 先月20日ごろから自治会費を集金できず、郵便物がたまるなどの異変があり、自治会が公社に連絡。市高齢福祉課は2日に公社から通報を受け、民生委員などに情報提供を求めた。市は同日中に民生委員から「安否確認できない」と報告を受けたが、「緊急性がない」と判断し、対応しなかった。

 だが7日午前9時ごろ、民生委員が「母親と1年近く会っていない。今も連絡がとれない」と市に相談。同課は職員を現場に派遣し、遺体発見に至った。

 現場近くでは先月、マンションで母子の孤立死が発覚。市は子育て推進課などが再発防止の検討会議を作り、孤立可能性のある家庭の洗い出しなどを進めていた。だが、検討会議は子育て家庭が主な対象で、高齢世帯は対象外だった。市が母娘に最後に接触したのは介護保険課が母親の介護認定調査に訪れた11年3月。その後、介護サービスの利用もなかったという。【中川聡子、横井信洋】

毎日新聞 2012年3月8日 12時48分(最終更新 3月8日 14時48分)

 

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