北朝鮮がウラン濃縮などを一時凍結する見返りとしてアメリカが提供する食糧支援についての協議で、北朝鮮側の代表を務めた高官は「すべての実務的な問題で合意し、支援はすぐに始まる」と述べ、支援の開始時期を明確にしていないアメリカに対し、早く実施するよう求めるねらいがあるとみられます。
米朝両国は、北朝鮮によるウラン濃縮などの一時凍結の見返りとしてアメリカが24万トン分の栄養補助食品を提供する形の食糧支援について、詳細を詰めるため、今月7日から2日間にわたって北京で協議しました。
両国は、支援の監視態勢などを巡って大筋で合意しましたが、支援がいつから始まるのかは確定していません。
協議で北朝鮮側の代表を務めた北朝鮮外務省アメリカ局のアン・ミョンフン副局長は、10日、帰国する際に北京の空港で記者団に対し、「真摯(しんし)で建設的な協議だった。すべての実務的問題で合意し、支援はすぐに始まることになった」と述べました。
この発言は、支援の開始時期について明言を避けているアメリカ側に対し、早く実施するよう求めるねらいがあるとみられます。
またアン副局長は、食糧支援には穀物も含まれるという認識を示し、栄養補助食品に限定する方針を打ち出しているアメリカ側との食い違いも表面化しました。
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