過去7年にわたり全北の監督を務め、Kリーグ優勝2回、アジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL)優勝1回の成績を残した「Kリーグの名将」こと崔康熙(チェ・ガンヒ)監督にとっても、韓国代表の指揮官として韓国サッカーの運命を背負うのは重荷だったようだ。5日にソウル市内のサッカー会館で行われた記者会見に臨んだ崔監督は「クウェート戦では後半20分までゴールが生まれなかったが、そのときは翌日すぐにでも海外に移住したいという気分に駆られ『航空券をどこで買おうか』とまで考えた」と試合を振り返った。試合中、全く笑顔を見せなかった崔監督は「ゴールが飛び出したときは、すぐに次のことを考えていたので笑う余裕がなかった。3点目が生まれたら笑おうと思ったが、あれ以上は点が入らなかった」と言って笑顔を見せた。
崔監督は先月29日、ワールドカップ(W杯)ブラジル大会3次予選最終戦でクウェートを2-0で破り、アジア最終予選への切符を手にした。最終予選では3次予選を突破した10チームが2グループに分かれ、今年6月3日から来年6月18日にかけてホーム・アンド・アウェー方式で総当たり戦を行う。韓国は、7日に発表される国際サッカー連盟(FIFA)ランキングで日本を逆転する可能性が高い。そうなれば、9日にマレーシアで行われる最終予選の組み合わせ抽選会でトップシードとなり、同じトップシードのオーストラリアとは同組にならず、日本かイランのどちらかと同組になる。
崔監督は、日本と同組になることを望んでいるとし「イランは時差や移動時間、高地という困難な条件が多いが、日本はそういった問題がない。日本と同組になって真剣勝負を繰り広げたい」と語った。
クウェート戦終了後に「今後は厳しい試合が続くだろう」とコメントした崔監督は、この日も代表の指揮官としての苦悩を打ち明けた。同監督は「クウェート戦を終え、代表の監督を務めるのは最終予選まで、という思いがさらに確かなものになった。韓国代表の監督は、目先の1試合の結果に縛られ、大きなビジョンを描くのが困難だ」と話し「とにかく与えられた任務を果たすため、最終予選では『勝つサッカー』をしたい」と意気込みを語った。
崔監督は、国内組のベテランを主に起用したクウェート戦とは異なり、最終予選では国内組と海外組の双方から選手を選抜する考えだ。合同で練習する時間があまりないため、最終予選が行われる時点で最高のプレーができる選手を起用するというのが、崔監督が掲げる原則だ。クウェート戦で不振だった朴主永(パク・チュヨン)も、今後アーセナルでいいプレーを見せなければ代表の試合には出られないというわけだ。