運用管理の視点から。
これ問題は、人によって言っていることが違うことです。
目的 | 対象 | |
---|---|---|
市長 | 職員による組合・政治活動の解明 | 全職員23,000人 |
市特別顧問 | 内部告発による職務専念義務違反の調査。組合は関係ない | 150人。全員を調査するつもりはない |
市 | 労使関係の調査 | 全員分の提出を指示された。時間がかかるというとリストで150人を指定された。残りは順次提出 |
電子メールには外部の人の個人情報が含まれる恐れがあり、取り扱いには注意が必要です。システム担当部門以外に提供する場合、
- 誰が
- どういう目的で
- どのようなデータを
要求したかは記録しておくべきです。。また、提供を受けた側は目的外に用いることは絶対にあってはなりません。ところがその利用目的が人によってバラバラなのです。
もう一つ重大なポイントは、データを要求する人が確かに権限を持っているかどうか、です。
市特別顧問の野村修也弁護士は説明の食い違いについて、中立性確保のため市長にも詳細を説明していないからだとしています。
この「市特別顧問」って何者なのでしょう。大阪市の要綱によれば、特別顧問は「市長に対し政策的または専門的事項に関し指導または助言を行うもので職員の身分を有しない」そうです。これだけでは特別顧問が市長にも詳細を報告せずフリーハンドで調査を行えるほど強力な権限があるとは思えません。報酬を見ても、会議1回あたりで最大\55,000という扱いの仕事です。
報道によっては「第三者」とされている場合もありますので、ひょっとすると別の形でそのような権限が与えられているのかもしれませんが、大阪市のサイトでは特別顧問以外の情報はありませんでした。
要するに、対外的にはそのような権限を持っているような職務には見えない、ということです。そういう人が不確かな理由でメールデータを要求し、市はそれを是正しないままデータを提出したということで、運用管理上は大変よろしくない対応ということになります。