(CNN) 米国防総省当局者は10日までに、アフガニスタン空軍の兵士が空軍機を悪用して麻薬や兵器を密輸している疑惑が浮上し、調査していることを明らかにした。
この疑惑がアフガンの首都カブールの国際空港で昨年起きた、アフガン空軍兵士による米空軍兵士8人の射殺事件と関連性があるのかも調べている。同事件を捜査した米空軍はアフガン空軍兵士1人の単独犯行と断定していた。
アフガン空軍兵士による麻薬密輸疑惑などは米紙ウォールストリート・ジャーナルが最初に報道。同紙は、カブール国際空港で起きた射殺事件で死亡した米軍兵士の大半はアフガン空軍兵士による航空機の不適切な使用の初期調査に携わっていたとも伝えた。
また、欧米諸国の政府当局者の情報として、初期調査の段階でアフガン空軍将官が麻薬や兵器密輸に加担もしくは黙認していたことを示唆する証拠が得られたとも報じた。
射殺事件の実行犯はアフガン空軍の貨物機運航部門に配属されていた兵士で、パイロットだったとの情報もある。米空軍の報告書では、この兵士は過激思想に染まり、反米の言動を示すこともあったという。
アフガンで治安維持に当たる米軍や北大西洋条約機構(NATO)主体の国際治安支援部隊(ISAF)はアフガン空軍の育成や訓練に当たっている。同国では根強い汚職体質の一掃が課題となっている。