●「スマート点字」を絶賛する盲ろう者 12月14日に、私は、東京都新宿区早稲田にある、全国盲ろう者協会に行き、ここの職員である盲ろう者のIさんに、スマート点字の入力を体験してもらい、「これは全く素晴らしい。」と絶賛されました。 耳も目も不自由な盲ろう者、視覚障害者から、情報機器のキーなどを押せない手の不自由な身体障害者、晴眼者までが、「点字式は便利だから使う。」ということを理想とする、私にとっては、全くうれしい最初の反応でした。 このソフトは、IPPITSU(タッチハネル点字一筆式入力)開発の経験に基づき、なお、ルイ・ブライユの優れた点字の原理を応用できないかと開発したものです。 ・ タッチパネルは、盲ろう者、視覚障害者にとっては、全く手がかりのないツルツルの壁です。この壁の向こうには無限の情報世界が広がっています。このツルツルの壁に何とか能率的に入れる入口をつけないかぎり、盲ろう者、視覚障害者は、一層現代のITC社会からとり残されてしまいます。 点字の原理は、触覚で読む6点の文字であり、同時に6bitの情報交換の符号でもあります。このような文字や符号は、ほかにはないものと考えます。私は、点字の本質は、ここにあると考えます。 ・ この考えに基づく点字出力の開発が、体表点字による「ヘレンケラーホン」でもあります。そして、入力が「IPPITSU」(一筆」であり、また「スマート点字」なのです。 ・ 約2世紀の間、「点字」というと、視覚に障害のある人が、指先の触覚で読む障害のある人の専用の文字とされてきました。そして、世界の視覚障害者、盲ろう者がどれほどこの点字という文字の恩恵を受けてきたか分かりません。しかし、ICTの21世紀になって、このルイ・ブライユにより発明された優れた文字は、健常者から最も情報摂取に恵まれない盲ろう者までが使える文字になりました。 ルイ・ブライユ、彼は、この偉大な発明をしながら、彼の点字が世界中で使われるようになることも知らずにこの世を去った不遇な人でした。彼の生誕の1809年から、202年を経た今日、晴眼者を含め、この点字をできるだけ多くの人が活用できるようにすることが、彼の恩に報いることだと考えます。 <参考> スマート点字入力の紹介[1] |
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