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【プロ野球】

マー君 悔しい復興先発 ソロ被弾に「残念だし、情けない」

2012年3月11日 紙面から

日本−台湾 先発し、力投する田中。ソロ本塁打を浴び2イニング1失点=東京ドームで(北田美和子撮影)

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◇復興支援試合 日本代表9−2台湾代表

 プロ野球の日本代表−台湾代表は東日本大震災の復興支援試合として10日、東京ドームで行われ、日本が9−2で快勝した。被災地仙台を本拠地とする楽天の田中将大投手(23)が先発した。ことしから常設化された日本代表「侍ジャパン」としての初陣となった。試合には被災者が招待され、収益金の中から義援金が被災地に送られる。

 思いが強かった分、悔しさがあふれた。「自分自身のピッチングに関して言えば、非常に残念だし、情けない。良い投球をして、ゼロに抑えたかった」。3年ぶりに結成された日本代表。そして、東日本大震災の復興支援試合と銘打たれた一戦。満を持して代表初先発を果たした楽天・田中が痛恨の一発を食らった。

 1回、先頭打者はあっさりと打ち取ったものの、次打者に落とし穴が待っていた。143キロの直球が外角高めに浮くと、左打者の潘武雄にレフトスタンド最前列にたたき込まれた。「あまり知らない相手に対して、もっと慎重に行けば良かったかなという反省がある」。2回は三者凡退に抑えたものの、結局2イニング1失点。まさかの被弾に表情はゆがんだ。

 初体験となった先発マウンドのプレッシャーは想像以上だった。「オールスターともシーズンとも違う雰囲気でアレッという戸惑いがあった。もう少し、自分の空間、空気感をつくりたかった」。2009年のWBCや北京五輪での登板はすべてリリーフ。昨季の沢村賞投手も代表戦の独特の空気にのまれてしまった。

 未曽有の被害を引き起こした大震災から1年。スタンドには多くの被災者も詰め掛けた。杜(もり)の都のエースとして、自身の役割については痛いほど分かっていた。「自分たちは東北を本拠地にしている。この試合の意味をしっかり考えて、強い気持ちでマウンドに上がった」。勇気を与えるはずの登板でゼロに抑えられなかったことが許せなかった田中。それでも、今後の日本代表を背負っていくのは間違いなくこの男。痛恨の1球が糧になる日は必ずやってくる。 (臼杵秀之)

 

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