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再生へ底力今こそ 震災1年、復興の歩みなお遅く

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2012/3/11 1:10
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 震災が起きたのは日本経済が08年9月のリーマン・ショックから立ち直りかけていた時だった。半導体など東北を拠点とした部品の製造拠点が大打撃を被り、サプライチェーン(部品供給網)が機能不全に陥って自動車などの生産が激減した。

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 ここから日本企業は驚異の復元力をみせた。供給網は予想以上に早く修復。福島県いわき市のタンガロイの新鋭工場を訪れた米有力投資家のバフェット氏は昨秋、日本企業の強さを称賛した。

 落ち込んでいた国内の生産は、3月に震災前の水準まで回復しそうだ。乗用車8社の1月の国内生産は前年比18.8%増と4カ月連続プラスとなった。ホンダは4割、トヨタは3割と高い伸びで過去の減産分を取り戻す「挽回生産」を急ぐ。

■「65兆円」投入 経済を下支え

 一方、政府・日銀による景気テコ入れは空前の規模だ。4次におよぶ11年度補正予算は20.6兆円、日銀も国債購入などの基金の枠を30兆円増やした。円高抑制を狙った円売り介入額は11年3月以降、14.3兆円。お金の性格は違うが、合わせて約65兆円をつぎ込み、日本経済は底割れを免れた。

 当面は復興需要も日本経済を下支えする。輸出産業を苦しめる超円高が一服したこともあって日経平均株価は9日、一時、約7カ月ぶりに1万円台を回復した。

 だが、今年後半には財政効果が息切れしかねず、楽観はできない。

 貿易収支は昨年、31年ぶりの赤字に転落し、「輸出立国」の地位は揺らぐ。成長の舞台が新興国に移るなか、空洞化の足音が大きくなってきた。

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