- [PR]
国際
【日々是世界 国際情勢分析】義援金「世界最高額」の背景 台湾
2011.5.17 10:00
(1/2ページ)
東日本大震災で、台湾からの義援金総額が5月上旬に約160億円(約57億台湾元)に達した。人口2300万人、平均所得が年約2万ドルの台湾から米国と並ぶ世界最高規模の義援金が寄せられたことは、社会に親日感情が根強くあることをうかがわせた。
台湾紙「自由時報」や「中国時報」などの電子版によると、馬英九総統は5日、訪台して感謝を伝えた衛藤征士郎衆院副議長に、「台湾中部大地震(1999年)や台風による豪雨被害(2009年)で受けた支援への恩返し」と説明。12日には日本への観光旅行が安全であることをPRする北海道訪問団(官民約300人)も派遣した。
義援金約1万4千円(5千台湾元)を寄せたという台北市在住の元小学校教師は「情けは人のためならず」と説明。菅直人首相が4月11日、米英などの7紙に感謝広告を出した際、台湾が対象から外れた件にも「親類に礼状は不要。感謝の意は別の形で伝わっているから問題ないよ」と寛容で、台湾外交部(外務省に相当)も今回の義援金は「民間、小口が中心だった」としている。
この手厚い支援は、日清戦争の下関条約(1895年)から終戦(1945年)まで、約半世紀の歴史をともにした本省人(台湾籍)が持つ「親日感情と絆の産物」と一般的に解釈されている。
関連ニュース
- [PR]
- [PR]