東日本大震災から11日で1年になるのを前に、被災地では、各地から到着する高速バスが、亡くなった家族や友人を追悼しようとふるさとに帰って来た人たちで混雑しています。
このうち岩手県宮古市のJR宮古駅前のバスターミナルには、午前7時すぎ、東京からの高速バスが到着しました。
小雪がちらつくなか、バスからは大きな荷物や土産物を持った乗客が次々に降りてきました。
10日は、多くの人が被災地を訪れることが予想されたため、高速バスを運行する岩手県北バスでは、通常は毎日1台走らせている28人乗りの大型バスを臨時に3台に増やしました。
津波で大きな被害を受けた宮古市の田老地区に帰省するという東京都の30歳の女性は「津波から町を守るため、水門を閉めに行った消防団員の同級生が亡くなってしまいました。その友人のために、あすの午後2時46分は仲間と集まって黙とうをささげ、焼香したいと思います」と涙ながらに話していました。
また、千葉県から田老地区に帰省する46歳の男性は「きょうは地元に戻って亡くなった親戚に手を合わせたいと思います。あすはお寺に行って、静かに一日を過ごすつもりです」と話していました。
宮城県気仙沼市のJR気仙沼駅前には、午前6時すぎに東京・池袋発の夜行バスが到着し、大きな荷物を持ってふるさとに戻った人たちが家族の出迎えを受けていました。
千葉県から帰省したという43歳の男性は「両親が震災でつらい思いをしたので、あすは一緒に過ごして安心させたい」と話していました。
高速バス各社によりますと、東京から宮城県石巻市や気仙沼市に向かう便は11日朝まで予約で満席だということです。
高速バス各社は「震災から1年に合わせて被災地に帰省する人が多く、特に、家族や友人などグループでの利用が目立つのが特徴だ」と話しています。
一方、JR東日本によりますと、東北新幹線では今のところ目立った混雑は見られないということです。
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