津波の発生をいち早く捉えて警報などの発表に役立てるため、気象庁は、9日から、大学や研究機関が北海道から四国にかけての太平洋の沖合に設置している海底津波計のデータの活用を始めました。
去年3月の巨大地震の際には、気象庁が当初発表した津波の高さの予想が実際を大きく下回りましたが、東北の沖合のGPS波浪計で高い津波が観測され、気象庁は高さの予想を引き上げました。
一方、太平洋の各地の沖合には、大学や研究機関も水圧の変化から津波を捉える海底津波計を設置していましたが、気象庁がデータを分析した結果、沿岸での津波の高さの予想にある程度活用できることが分かりました。
このため、気象庁は、北海道から四国にかけての太平洋の沖合に設置されている30か所余りの海底津波計について、9日から観測データの活用を始めました。
観測データは、地震直後に発表する津波の高さの予想を変更する必要があるかどうかの判断などに活用し、そのままの形では発表しないということです。
東北から関東にかけての太平洋沖では、国が新年度以降、150か所余りに海底津波計の大規模な観測網を整備する予定で、気象庁は今後、こちらのデータも活用することにしています。
気象庁は「巨大地震の教訓を踏まえ、今後は、最初の警報で適切な津波の予想を発表する方針だが、巨大地震の余震が起きている付近での津波や今後、各地で想定される大津波に備えて万全の態勢を整えたい」と話しています。
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