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宮城 被災校舎に戻り卒業式

3月10日 17時14分

宮城県内のほとんどの公立中学校で、10日、卒業式が行われ、津波で校舎が使えなくなり、廃校になった小学校で授業を行ってきた南三陸町の中学校でも一日だけ元の校舎に戻って卒業式が行われました。

全校生徒が56人の宮城県南三陸町の戸倉中学校では、1年生だった三浦辰徳さん(13)と教諭の合わせて2人が亡くなり、校舎は水につかって使えなくなりました。
現在は隣の登米市の小学校の跡で授業を行っていますが、卒業式は生徒たちの要望で思い出の多い元の校舎で行われました。
小野寺由美子校長は「つらいこと、悲しいこと、たくさん味わいましたが、その分、多くのことを学ぶことができました。困難と出会っても、この経験を思い出し、自分を信じて進んでください」と述べました。
卒業生の中には震災をきっかけに進路を決めた生徒もいます。
三浦貴裕さん(15)は、震災の日、津波で流された人を助けようと救命措置を試みましたが、結局、救うことはできませんでした。
その悔しさを晴らしたいと、消防士になることを決意したということです。
南三陸町では、津波で10人の消防職員が亡くなっています。
三浦さんは「しっかり覚悟を決めて、震災で亡くなった方々の思いも背負って、夢をかなえられるよう頑張っていきたい」と話していました。