岩手県釜石市で、水門を閉める作業などに当たっていて、津波に巻き込まれた消防団員の遺族に、市から感謝状が贈られました。
総務省消防庁によりますと、東日本大震災で、岩手県では、住民の避難誘導や水門を閉める作業に当っていた消防団員117人が死亡し、2人が行方不明となっています。
このうち、8人が犠牲になった釜石市で、7日、野田武則市長から遺族に感謝状が贈られ、遺族は、涙ぐんで受け取っていました。
野田市長は、「今回の犠牲を教訓として、2度とこうした悲劇が起こらないような町づくり、消防団活動に全力で取り組んでいきたい」と話しました。
震災のあと総務省消防庁は、津波の発生時には、場合により任務よりも団員の避難を優先することなどを盛り込んだ新たな行動指針をまとめていて、釜石市では、それに沿った新たな行動指針を検討することにしています。
夫を亡くした佐々木淑子さん(55)は、「誰のせいでもないと思いますが、今でも夫のことが思い出されます。消防団員も人間なので、職務の在り方を検討してほしいと思います」と話していました。
長男を亡くした岩鼻かんさん(88)は、「何にも思わないと言えばうそになりますが、任務を果たすため亡くなったので、むだな死ではなかったと息子には伝えたいと思います」と話していました。
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