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2012年3月8日

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斎藤・西田のデジタルトレンド・チェック

「コンシューマー・プレビュー」で見る、次期「ウィンドウズ8」の大変化(4/4ページ)

筆者 斎藤幾郎・西田宗千佳

写真:画像1:ウィンドウズ8で作業の起点となる「スタート」画面。新しい「メトロスタイル」を採用しており、アプリの起動などが行える。従来の「スタートメニュー」が全画面表示になったと考えよう拡大画像1:ウィンドウズ8で作業の起点となる「スタート」画面。新しい「メトロスタイル」を採用しており、アプリの起動などが行える。従来の「スタートメニュー」が全画面表示になったと考えよう

写真:画像2:「メトロスタイル」のアプリは、メール、カレンダーなど多数が付属している。ブラウザーの「インターネット・エクスプローラー10」もメトロ表示で動作する(従来型の表示も可)。ページを全画面に表示するが、アドレス入力やタブ操作では上下に操作パネルが表示される拡大画像2:「メトロスタイル」のアプリは、メール、カレンダーなど多数が付属している。ブラウザーの「インターネット・エクスプローラー10」もメトロ表示で動作する(従来型の表示も可)。ページを全画面に表示するが、アドレス入力やタブ操作では上下に操作パネルが表示される

写真:画像3:マウスを左上隅から下に動かすと、直前に使っていたアプリのサムネールが順に並び、切り替えられる。画面左下に「スタート」のサムネールもある拡大画像3:マウスを左上隅から下に動かすと、直前に使っていたアプリのサムネールが順に並び、切り替えられる。画面左下に「スタート」のサムネールもある

写真:画像4:画面右に表示される「チャーム」。マウスを右上/右下に動かした時点ではアイコンが出るだけだが、ポインタを近づけると黒い背景と名称も表示される拡大画像4:画面右に表示される「チャーム」。マウスを右上/右下に動かした時点ではアイコンが出るだけだが、ポインタを近づけると黒い背景と名称も表示される

写真:画像5:なんだか落ち着く、ウィンドウズ8の「デスクトップ」表示。スタートボタンがないのに気付くと面食らうが、今後は「スタート画面」と「チャーム」を使うことになる拡大画像5:なんだか落ち着く、ウィンドウズ8の「デスクトップ」表示。スタートボタンがないのに気付くと面食らうが、今後は「スタート画面」と「チャーム」を使うことになる

写真:画像6:ファイル管理の「エクスプローラー」はリボンを採用。項目の並べ方にはかなり工夫の跡が見られる。自分がよく使う操作をチェックしよう拡大画像6:ファイル管理の「エクスプローラー」はリボンを採用。項目の並べ方にはかなり工夫の跡が見られる。自分がよく使う操作をチェックしよう

写真:画像7:画面を分割してアプリを表示できる「スナップ」。「メール」をスナップすると、件名の一覧や、選択したメッセージの本文を表示できる。境界線をドラッグすると2つの表示の大小を切り替えられるが、表示領域の幅は変更できない。「デスクトップ」をスナップするとウインドーのリストになる拡大画像7:画面を分割してアプリを表示できる「スナップ」。「メール」をスナップすると、件名の一覧や、選択したメッセージの本文を表示できる。境界線をドラッグすると2つの表示の大小を切り替えられるが、表示領域の幅は変更できない。「デスクトップ」をスナップするとウインドーのリストになる

「メトロスタイル」は「タブレット」取り込みの切り札

 従来のウィンドウズの操作に慣れた人にとって、「メトロスタイル」と「アプリ」導入による操作の変化は手間が増えただけのように感じられるかも知れません。ですが、ウィンドウズ8での「メトロスタイル」の採用は、iPadやAndroid搭載機のような「タブレット」への対抗策として、大きな意味を持っています。

 タブレットは、パソコンと比べると「画面のタッチ操作がシンプルで分かりやすい」「必要なハードウエアが異なり小型軽量化しやすく、消費電力も少ない」「十分な性能を発揮する機種でも価格が安い」といったメリットと、データ処理能力や膨大なデータ保存能力が必要な用途には使いにくい、パソコン用のソフトが使えないといったデメリットとがあります。

 従来のウィンドウズもタッチ操作は可能ですが、画面の表示が細かく、タッチ専用アプリでなければ指での操作はちょっと非現実的です。

 ウィンドウズ8では、「メトロ用アプリ」を作ればマウスでもタッチでも操作できるため、ソフト開発者が「タッチ操作に適したアプリ」を作りやすい土壌ができます。タッチ機能付きパソコンや、タブレット・スタイルのパソコンが今より増えるかも知れません。スマートフォンのようにスタンバイ中でも通信を受け付ける新しいモード、起動やスタンバイからの復帰を高速化する技術なども取り入れられており、対応機種なら一層快適なパソコンライフが送れそうです。

 ですが、これだけではサイズやバッテリー、機器の価格の問題までは解決されません。実は、ウィンドウズ8は、Androidタブレット等と同等のCPU、パーツ構成で動作する専用バージョンが開発されています(現在は、「Windows on ARM」「WOA」と呼ばれています)。WOAで従来型の「デスクトップ」用ソフトは動きませんが、「メトロ用アプリ」はパソコンと同じものが使えます(マイクロソフトはメトロ版オフィスも開発中としています)。いわば、ウィンドウズ8の軽量版です。

 WOAを搭載したタブレットは、「使いやすい」「軽くて電池長持ち」「安い」といったライバルと同じメリットに加え、「パソコンと同じアプリが同じ操作で使える」というセールスポイントを持たせることができる。マイクロソフトはそのように考えています。

 ウィンドウズ8は、他にも多くの変化がありますし、ネットサービスとの融合も進みます。今回解説できなかった部分は、今後改めてこのコラムで取り上げていきたいと思います。

 ウィンドウズ8コンシューマー・プレビューは、マイクロソフトのウェブサイトからダウンロードできます。通常はセットアッププログラムをダウンロードして実行しますが、インストール用のDVDを作成できる「イメージファイル(ISO形式)」も配布されています。

 コンシューマー・プレビューは一般向けに配布されていますが、あくまで開発途上のバージョンです。不具合もいろいろあるでしょう。仕事や学業で使っているパソコンに入れるべきではありません。趣味で使うパソコンであれば、一足先に体験してみるのも良いでしょう。ただし、インストールは新規、アップグレードを問わず、既存のウィンドウズと入れ替えることになり、以前のバージョンに戻すには再セットアップが必要です。インストール前にデータのバックアップをお忘れなく。

 動かすのに必要なパソコンの性能は、ウィンドウズ7とほぼ同じです。画面の解像度は最低1024×768ドットで利用可能ですが、前述の「スナップ」は1366×768ドット以上の解像度がないと利用できません。詳細は、ダウンロードサイトを参照して下さい。

   ◇

ウィンドウズ8コンシューマー・プレビュー ダウンロードサイトhttp://windows.microsoft.com/ja-JP/windows-8/consumer-preview

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プロフィール

斎藤幾郎(さいとう・いくお)

1969年東京都生まれ。主に初心者向けのデジタル記事を執筆。朝日新聞土曜版beの「てくの生活入門」に寄稿する傍ら、日経BP社のウェブサイト日経PC Onlineにて「サイトーの[独断]場」を連載中。近著に「パソコンで困ったときに開く本」(朝日新聞出版)、「すごく使える!超グーグル術」(ソフトバンククリエイティブ)などがある。

西田宗千佳(にしだ・むねちか)

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは「電気かデータが流れるもの全般」。朝日新聞、アエラ(朝日新聞出版)、AV Watch(インプレス)などに寄稿。近著に「形なきモノを売る時代 タブレット・スマートフォンが変える勝ち組、負け組」(ビジネスファミ通)、「メイドインジャパンとiPad、どこが違う? 世界で勝てるデジタル家電」(朝日新書)がある。

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