原因は、「非公開設定を行ったマイマップ」が一切のセッション情報を要求していないこと。どういう事かというと、
正直言って、これは仮にもアカウント制のウェブサービスとして致命的な問題だ。通常、こうしたプライベートな、時間と共に変わらないURLは、「その情報を閲覧する権限があるアカウントでログインしているか」といったチェックを行っている。そうしたチェックを一切行っていない……という今回の件は、ストリートビューのプライバシー問題やAmazonウィッシュリスト問題(asahi.comの元記事で触れられている)とは質が違う。Googleが「バグではなく仕様ですが不評なようなので仕様を変えます」的なアナウンスを行うのを待つしかない。
追記:
これが「問題」である理由の一つは、「自分で普通にマイマップを編集/閲覧する場合に上記固有URLを開いている」ということだ。Googleカレンダーにも同様の問題があるが、Googleカレンダーは通常こうしたアドレスで利用するため、「わざわざ」固有URLにアクセスしない限り、固有URLは「誰からもアクセスされないURL」となっている。固有URLを使う時に「このURLは~」と明確に表示されるのも、「現実的に」重要なポイントだろう。
そもそも、「URL」というのは、あまり機密性の高い情報ではない。自分がアクセスしたURLが、リファラー(「アクセス元ページ」)として無関係なサーバーに漏れる場合もあるし、「自分がアクセスしたURL」というものを無意識的に様々なサービス(具体名を挙げないと伝わりにくいかもしれないが……)に渡している人/機会もある。
Googleマップの右上「プロフィール」からマイマップを開き、「編集」をクリックしてから「プライベート設定」を「非公開」にして保存すれば良い、はずなのだが……。
未ログイン状態でも、特定のURL(非公開マップURLの例)を開くことで「マイマップ」を開くことができてしまう。
参考
asahi.com(朝日新聞社):グーグルマップ「公開」に注意 意図せず個人情報掲載 - ネット・ウイルス - デジタル
今回の騒動の発端となった記事。実際に晒されているマイマップは、興味のある人のみ適当な手段で探して下さい。
非公開マイマップの例
Googleマップユーザー別ページの例
作成者プロフィールページの例。このページ等では、非公開マイマップは表示されない(そのユーザーが作った公開マイマップのみが表示されている)。逆に言うと、Googleマイマップの「公開」「非公開」という設定には、「そのマイマップを、こうしたページに表示させるか否か」の意味しかないのだ。
執筆:tokix (tokix.net)
2008年11月03日 22:09
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