国内観測史上最大のマグニチュード(M)9.0を記録した東日本大震災から1年が経過し、同様の巨大地震が発生する可能性を探る調査・研究が活発になっている。政府の地震調査委員会は、南西諸島沖や伊豆・小笠原・マリアナ諸島沖での検討を始める。北海道沖や中部地方の危険性を指摘する専門家も出てきた。ただ、地震の想定や研究の精度に対する批判は少なくない。
政府の地震調査委員会は4月以降、伊豆・小笠原・マリアナ諸島沖や南西諸島沖での地震を想定し、今後30年以内の発生確率や地震の規模を検討する方針だ。
伊豆・小笠原海溝沿いとマリアナ海溝沿いは従来、せめぎ合うプレート(岩板)がずるずると滑り、ひずみをためにくいと考えられていた。ところが東日本大震災では海溝周辺の震源域が一度に壊れたことから、伊豆諸島沖などでもM8を超える地震が発生する可能性を考慮して再評価する。最近数年間の地震観測データや全地球測位システム(GPS)システムによる地殻変動のデータを活用する。
さらに地震調査委は、南西諸島海溝沿いと南海トラフ沿いが連動し、巨大な地震が起きる可能性も検討する。この広大な領域で同時に地震が起きれば、M9を超える可能性が高い。
一方、北海道大学の平川一臣特任教授は北海道東部沖から三陸沖までの太平洋に注目。沿岸部の津波堆積物を調べ、過去3500年間にM9級の地震が7回以上起きたという研究結果をまとめた。震源域は根室沖や色丹島(北方領土)沖など4領域にあると推定。こうした場所で将来、巨大地震が同時に起きたり連続して発生したりする可能性があると考えている。
神戸大学の石橋克彦名誉教授は、中部地方を南北に縦断する「糸魚川~静岡構造線断層帯」のうち、長野県松本市から静岡市にかけての部分について危険性を指摘する。ユーラシアプレートの一部が東に進むと考える「アムールプレート仮説」に基づく分析だ。ここが太平洋沿いの「南海トラフ」と連動し、700キロメートルにわたる広い震源域でM9超の地震が起きる可能性があるという。
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