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チリ 緊急警報放送技術を紹介

3月10日 12時58分

おととし巨大地震が起きた南米チリの被災地で、日本の地上デジタル放送の技術を利用して、地震発生時にテレビ放送を通じて住民に津波への警戒や避難を呼びかけるシステムが紹介されました。

チリではおととし、マグニチュード8.8の巨大地震が発生し、沿岸に津波が押し寄せるなどして、合わせて520人余りが死亡しており、津波警報や避難情報の住民への速やかな伝達が課題になっています。
チリ政府は9日、被災地の1つ、コンセプシオンでセミナーを開き、地元の警察や自治体に加え、日本の総務省の関係者らおよそ30人が参加しました。
会場では、日本の地上デジタル放送の技術を利用した緊急警報放送のシステムが紹介され、テレビが自動的に起動し、地域ごとに津波の警戒や避難を呼びかける文字情報が表示されると、参加者は感心した様子で日本の専門家の説明に聞き入っていました。
チリの運輸通信省の担当者は「チリは自然災害が多いので、このシステムは多くの人命を救ううえで重要だと思います」と話していました。
また、日本の総務省の担当者は「チリのように災害への危機意識を持っている国から順番に、このシステムを普及させていきたい」と話していました。
緊急警報放送を巡っては、日本の地上デジタル放送の技術を採用しているほかの南米の国でも防災に役立てたいと関心が高まっています。