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甲状腺被ばく87ミリシーベルトも

3月9日 11時42分

甲状腺被ばく87ミリシーベルトも
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東京電力福島第一原子力発電所の事故のあと、青森県の弘前大学の調査チームが福島県内の住民65人の甲状腺を調べたところ、およそ80%の人から放射性ヨウ素が検出され、甲状腺への被ばく量は最も多い人で87ミリシーベルトだったことが分かりました。

弘前大学被ばく医療総合研究所の調査チームは、去年4月、福島県浪江町の住民や、福島県浜通りから福島市に避難していた、合わせて65人を対象に甲状腺の検査を行いました。
その結果、およそ80%に当たる50人から放射性ヨウ素が検出されたということです。
そして、事故直後の3月12日に放射性ヨウ素を吸い込んだと仮定して、甲状腺への被ばく量を計算したところ、5人が、健康への影響を考慮し予防策をとる必要があるとされる国際的な目安の50ミリシーベルトを超えていたということです。
甲状腺への被ばく量が最も多かったのは、原発事故のあとも浪江町津島地区で2週間以上生活していた成人で、87ミリシーベルトでした。
一方、住民のおよそ半数は10ミリシーベルト以下でした。
調査チームでは、今後、検査を行った住民に対し結果を報告することにしています。
今回の結果について、調査チームの床次眞司教授は「事故の規模からすると住民の被ばくの程度は低いと言えるが、潜在的なリスクを抱えた住民もいると考えられるので、今後も継続的な健康調査を確実に行う必要がある」と話しています。