人事院は、社会保障と税の一体改革に関連し、国家公務員の退職手当と年金の給付の上乗せ部分を民間企業の水準と比較した結果、民間より400万円余り高くなっているとして、国家公務員の給付水準を引き下げるよう求める見解をまとめました。
社会保障と税の一体改革で政府が進める年金制度改革では、公務員が加入する「共済年金」をサラリーマンが加入する「厚生年金」に合わせる形で一元化する方針で、共済年金だけにある「職域部分」と呼ばれる給付の上乗せ分を、どのように扱うかが焦点となっています。
これに関連して、人事院は、従業員が50人以上いる民間企業およそ3600社について、退職金と厚生年金に企業が独自に上乗せしている「企業年金」の実態を調査し、比較した結果を公表しました。
それによりますと、「企業年金」の制度は59.9%の企業にあり、退職金は1041万5000円、企業年金は1506万3000円で、総額は2547万7000円でした。
これに対し、国家公務員は、退職手当が2707万1000円、共済年金の「職域部分」が243万3000円で、総額は2950万3000円となっており、民間より402万6000円、率にして13.65%高くなっていました。
これを受けて、人事院は「官民均衡の観点から、民間との較差を埋める措置が必要だ」として、国家公務員の給付水準を引き下げるよう求める見解をまとめました。
政府は、今回の結果を踏まえて、共済年金の「職域部分」の扱いを検討することにしていますが、民主党内では、「職域部分」を廃止するかどうかで意見が分かれており、年金制度の一元化を巡る調整は難航することも予想されます。
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