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心肺補助装置、研修怠る 循環器センター患者死亡事故

県立循環器・呼吸器病センター3階の臨床工学室で家宅捜索する県警捜査員ら=2月15日午前8時55分ごろ、栗原市瀬峰

 宮城県立循環器・呼吸器病センターで2011年7月に起きた医療事故は、センターのずさんな管理体制が、県警の捜査で明らかになった。県警によると、心肺補助装置の使用方法を知っていたスタッフは誰もいなかったという。捜査関係者は「人命を預かる施設として認識が甘い」と指摘する。
 県警によると、書類送検された臨床工学技士男性(48)は、07年から医療機器の安全管理責任者を務めているという。責任者は、新しい医療機器を導入した際、スタッフに研修を実施することが求められている。
 捜査関係者によると、技士は当初、センターの看護師ら向けの研修を開催していたが、参加率が低いことなどから次第に実施しなくなったという。10年10月に導入した心肺補助装置の研修は、記録上開催したことになっていたが、実際は一度も開かれていなかった。
 県警の調べに技士は「やる気がなかった」と話しているという。結局、装置の使い方を理解しているセンターの医師と看護師はいなかった。
 異状死の届けをめぐっても、県警はセンターや県立病院機構の対応を疑問視する。
 捜査関係者によると、電源プラグが外れていたことは別の看護師が確認していたという。電源が失われ、装置が止まったにもかかわらず、主治医(33)は病死の死亡診断書を作成。一方で、センターは事故の翌日、機構へ医療事故と連絡していた。
 県警は事故直後の7月29日にセンターと機構を捜索。ことし2月15日には、センターの臨床工学室などを再捜索した。
 機構の菅村和夫理事長は「事故を重く受け止め、再発防止に万全を期したい」との談話を出した。


2012年03月09日金曜日


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